政府による在宅介護推進が進められている影響で、在宅介護へのサービス・支援の種類がとても増加しています。
今回は、在宅介護をしている場合に受けることのできる介護サービスについて、訪問介護やデイサービス、ショートステイから、住宅改修や介護保険がサービスまで、全てをわかりやすくまとめていきます。
どんなサービスがあるかを理解することで、必要な介護支援の選択肢にもつながります。要介護者とそのご家族の生活が、より良い環境となるようにお伝えできればと思います。
- 1. 介護保険サービスとは
- 2. 利用条件
- 3. 居宅サービスの種類
- 4. 訪問サービスとは
- 5. 通所サービスとは
- 6. 短期入居サービスとは
- 7. 地域密着型サービスの種類
- 8. 福祉用具のレンタル・購入
- 9. 介護保険を利用した住宅改修
- 10. 介護保険外サービス
- まとめ
1. 介護保険サービスとは
介護が必要となった方が、介護保険を利用して受けることのできる介護サービスを、介護保険サービスといいます。
介護保険サービスには、在宅介護を受ける方が利用する【居宅サービス】、【地域密着型サービス】と、施設で受ける【施設サービス】があります。
2. 利用条件
・65歳以上で、要介護・要支援認定をされてい方
・40歳以上で、特定の疾患により、介護が必要となり、介護認定された方
3. 居宅サービスの種類
在宅介護をしている方を対象にした居宅サービスでは、自宅で過ごすための生活サポートをする【訪問サービス】や介護が悪化しないように機能訓練をしてくれる【通所サービス】などがあります。
また、家族が留守にしてしまうときや、仕事や体調不良で介護に都合がつかない時などに活用できる【短期入居サービス】も活用できます。
それぞれ3種類のサービスについて、詳しく解説していきたいと思います。
4. 訪問サービスとは
訪問サービスとは、介護士や看護士など専門的な知識を持つ人が、自宅を訪れて入浴やトイレの介助などの身体的サービスや、掃除や洗濯など生活のサポートをしてくれるサービスです。
具体的なサービスを解説していきます。
訪問介護サービス
訪問介護サービスとは、トイレ・入浴・食事の準備・介助や、掃除・洗濯・買い物代行など、生活に不可欠な内容をサポートするサービスです。
他にも、見守りサポートとしても利用できるので、認知症や高齢により昼夜逆転してしまう方は、午前中に訪問介護サービスにしてもらうことで、生活のメリハリをつけることもできます。
訪問入浴介護サービス
寝たきりのため、自宅の浴槽で入浴ができない方のためのサービスです。介護士2人と血圧や発熱などの健康状態を確認するために看護士1人で来てくれることが多く、専用の浴槽を持参して入浴をしてくれます。
訪問リハビリテーションサービス
医師が自宅でのリハビリを必要だと判断した場合に行われるサービスです。
理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などの専門知識を持った方が、自宅へ訪問します。自宅でリハビリを行うことで、症状の回復や維持ができるだけでなく、自宅内での生活動線や日常生活の動きが危なくないかなども判断してくれます。
訪問看護サービス
医師の指示により、看護士が自宅を訪問して行うサービスです。血圧の測定や体温・脈拍の測定を行い、症状変化を確認します。
また、医療機器の管理や、療養のサポートを行います。
居宅療養管理
通院が難しい要介護者向けの管理になります。自宅に診療をする医師や看護士、栄養士、歯科衛生士、薬剤師が来てくれて、治療や服薬の指導や、栄養面の指導を行ってくれます。
最近では、介護サービスと医療サービスの連携がとりやすくなってきているので、ケアマネージャーと医療従事者が連携する場面も増えてきています。
5. 通所サービスとは
通所サービスとは、入浴や食事などの生活サポートをしてくれるデイサービスと、リハビリを行い機能訓練を行うデイケアがあります。
デイサービス
デイサービスとは、通所サービス施設で行われる日帰りサービスです。レクリエーションや入浴・食事を行います。
デイサービスに定期的に通うことにより、自宅に引きこもりがちな高齢者が、他の人とのコミュニケーションや外出のきっかけにもなるとされています。
デイケア
デイケアは、リハビリが必要と医師から判断された人が受けるサービスです。
介護老人保健施設、病院、診療所等に併設された施設や介護医療院に行き、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士等の専門知識のある人によるリハビリを受けることができます。
リハビリを受けることにより、機能の回復や維持ができるため、より安全・長期的に在宅介護ができるようになることが目標です。
6. 短期入居サービスとは
短期入居サービスは、ショートステイとも言われています。
普段介護をしている家族が、仕事や体調、その他の事情を理由に介護ができない間、要介護者の方に、短期間だけ施設に入居してもらうサービスです。主に、入浴・食事・排泄の介助や、レクリエーションなどの機能訓練を行ってくれます。
ショートステイは、介護する家族の休養にもつながるため、在宅介護の精神的な手助けになり得ます。
7. 地域密着型サービスの種類
地域密着型サービスのため、利用する事業所や施設の市町村区域に住民票がないと、利用することができません。
療養型デイサービス
要介護認定を受けている方が利用できるサービスです。
医療ケアと介護サービスが、常時必要な要介護者のためのデイサービスで、認知症、脳血管疾患後遺症などの重度要介護者やがん末期患者・障害を持つ方が対象のサービスです。
食事や入浴、口腔衛生などのサービスを受けることができます。
認知症対応型デイサービス
認知症の知識がある専門スタッフによる、少人数のデイサービスになります。医師から認知症の診断を受けていることが、利用条件です。
レクリエーションや機能訓練も、認知症に特化した内容となっています。
小規模多機能型居宅介護
1つの施設において、デイサービス、訪問介護、ショートステイの3つのサービスを提供する仕組みです。
3種類の介護ケアが連携することにより、必要な介護サービスを個々に合わせて組み合わせることができるのがメリットです。
看護小規模多機能型居宅介護
医療ケアが必要な方を対象にしたサービスで、1つの施設において、デイサービス・訪問介護・訪問看護・ショートステイをとり行います。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護
要介護認定されている方が定期的・必要時に、受けられるサービスになります。
24時間体制で、ケアマネジャーの計画に基づき、自宅に訪問して1日複数回の介護サービスを行います。また、医師の指示により、看護士が自宅を訪問し、体調の様子を確認します。
夜間対応訪問介護サービス
要介護認定を受けた、重度の介護が必要な方が利用できるサービスです。
ヘルパーが 18時から翌朝の8時までの期間に、定期的に自宅を訪問して、水分補給や体の位置の変換をサポートしてくれます。
8. 福祉用具のレンタル・購入
ポータブルトイレや入浴補助器具など、特定福祉用具については、介護保険を利用することができます。そのため、介護保険負担割合が1割の場合、10%の価格で購入することができます。
車椅子などの特定福祉用具以外についても、介護保険を利用してレンタルすることが可能です。
9. 介護保険を利用した住宅改修
自宅に住んでいる・退院して自宅に戻ることが確定されている要介護認定もしくは要支援認定を受けている方が、対象に受けられるサービスです。
在宅介護を行う自宅に手すりをつけたり、スロープをつけるなどのリフォーム金額の約8〜9割が介護保険適応となるため、自己負担が1〜2割ですみます。
10. 介護保険外サービス
介護認定を受けていない高齢者の方で生活支援などを受ける場合や、介護保険では認められていないサービスを受ける場合を、介護保険外サービスといいます。
介護保険では認められていないサービスとしては、同居する家族の生活支援や食事の準備、ペットの世話や通常掃除以外の大掃除などが、該当します。
まとめ
在宅介護推進に伴い、豊富な介護サービスが用意されています。
サービス内容を知ることで、受けるサービスを選択し、少しでも在宅介護の助けになればと思います。