在宅介護をしていると、本人が家から離れたくない、最期まで家で過ごしたいと強く希望される方も多いかと思います。
また、施設に入居したらめっきり元気を失ってしまった・施設では最期を迎えたくない!と強く意思を伝える方もいらっしゃいます。
今回は、在宅介護で看取りをするときに後悔しない方法や準備について、わかりやすくお伝えしていきたいと思います。
終末期の本人を迎えるためには、医療スタッフの協力や介護スタッフの協力が必要不可欠となります。在宅で看取りを行う可能性がある場合には、ぜひ参考にされてみてください。
1. 自宅で最期を迎えたいと希望する人は多い
平成30年度の内閣府の調査によると、 60歳以上の人の約半数が、自宅で最期を迎えたいと考えていることがわかっています。また、男性の方がより多く、自宅での最期を希望していることもわかりました。
やはり、住み慣れた地域と家で、看取りをしてほしいという希望は強い方が多いです。
2. 施設に入っていても、看取りは在宅でできるのか
施設に入っていても、ターミナルケアの準備がしっかり整っていれば、看取りを自宅で行うこともできます。
しかし、そのためには、家族側や医療機関の受け入れ体制が必須となります。
ターミナルケアが始まる頃には、食事が口から取れず、経管栄養になっていたり、呼吸や体勢を変えることが自分だけではできない状態になっていることもあります。
施設の担当医師や看護師、ケアマネージャーや自宅に来てもらえる医師としっかり話し合いをして、在宅介護への切り替えをする必要があります。
3. 在宅介護で看取りをするときの必要準備
まずはケアマネージャーに相談を
まずはケアマネージャーに相談をして、在宅訪問してくれる医師を見つけてもらいましょう。できれば、 24時間体制で診てもらえるような看取りのできる医師が理想的です。
在宅療養支援診療所などが地域にあれば、そちらにお願いすることが良いでしょう。在宅療養支援診療所なら、ケアマネージャーと連携をしており、24時間訪問診療も可能です。
看取りもしているので、地域に該当する施設があるのか、地域包括支援センターに聞いてみるのも良いかもしれません。
看取り体制を整える
24時間訪問診療できる医師を見つけられたら、看取り体制を作る準備に取りかかります。本人と家族から、医師やケアマネを通じて、どんな療養支援をしてほしいかを明確に話し合います。
看取り体制を整えるためにも、必要な専門家を配置する必要があります。訪問看護師・訪問ヘルパー、薬剤師、症状によっては、歯科医師・管理栄養士なども手配できれば良いかと思います。
家族も心の準備をしておく必要がある
看取りの数日〜数時間前になると、本人の様子がどんどん変わっていってしまうなど、ショックが大きいことも起こり得ます。
また、昼夜問わず介護や看護、付き添いをしなければいけなかったり、本人が過ごしやすいような環境作りなど、体力的にもかなり負担が大きくなります。
本人が自宅で最期を迎えたいという強い意志があっても、家族の同意と協力なしには成しえないので、覚悟が必要です。
4. 最期を迎えたときには…
24時間訪問診療できる医師がサポートに入ったとしても、看取りの瞬間に立ち会えるとは限りません。
意識が薄れてきたり、血圧や脈が弱くなってきたら、すぐに医師に連絡を取りましょう。医師が間に合わずに、見取りを家族で行った場合には、亡くなった時刻をメモしておきます。
その後、医師が死亡確認をして死亡診断書を交付して、葬儀屋さんや訪問看護師がエンゼルケアを行ってくれます。
まとめ
住み慣れた自宅で、家族と共に最期を迎えたいと希望される人は、半数以上でした。本人の強い希望があれば、家族としてはできるだけ叶えてあげたいと思うはずです。
看取りを在宅で行う場合には、準備と覚悟が必要なこともわかります。また、地域によっては、訪問医療の体制が整わずに難しい場合もあるので、まずは地域包括ケアセンターやケアマネージャーに地域の医療体制について確認してみましょう。