仕事と介護の両立を応援するブログ

これから介護世代が増える中、育児や仕事と両立していく子供世代も増加します。いまそのような状況になっている方・これから可能性のある方に向けて、介護とはどのようなことなのかをわかりやすくお伝えできればと思います。

中学生の20人に1人が家族の介護をしている?ヤングケアラー問題とは?

ヤングケアラーという言葉は、一般の人には聞き慣れない言葉かもしれません。ヤングケアラーとは、 18歳未満の子供が家族などの介護や世話を担っていることを指します。

今回は、ヤングケアラーがまだ浸透していない日本でのヤングケアラー問題についてお伝えしていきたいと思います。

社会がヤングケアラーの存在と問題点を把握することで、支援やサポートにも繋がります。ぜひ1人でも多くの方に、ヤングケアラーに悩まされる子供達の実態を知っていただけたらと思います。

1. ヤングケアラーとは?

ヤングケアラーとは、 18歳未満の子供が、家族の世話や介護を行なっている状態のことを意味します。

現在では、核家族ひとり親家庭が増えたことで、家族や兄弟に介護やケアが必要な場合、頼る人が充分でなく、 18歳未満の子供が行うケースが激増しています。介護やケアとは、高齢者だけでなく、精神疾患を抱えた家族や障害のある兄弟についても当てはまります。

2. 中学生の20人に1人はヤングケアラー?

2021年4月の厚生労働省文部科学省の家族の「ヤングケアラー」に関する調査によると、中学生の約17人に1人が家族の介護や世話をしているヤングケアラーであることが発表されました。

さらに、そのうちの1割は、 1日7時間以上ケアに当てていることもわかっています。世話をする相手は、【兄弟】と答えた人が6割以上で、次いで祖父母となっています。

核家族が増え、共働き家庭も多いため、子供が家族の世話をしなければいけない状況が増えてしまっています。

3. ヤングケアラー問題とは?

学業への問題

ヤングケアラーの対象となる子供たちは、中学生や高校生などの教育を受けるべき年齢層になります。そのため、学業への支障がもっとも大きな問題となります。

家族の介護や世話をする時間が長くなるほど、学校への遅刻や欠席もしやすくなってしまいます。また、場合によっては、不登校につながる場合もあります。

精神的な問題

ヤングケアラーとして過ごしている子供たちは、家族の内容を、他の人に相談しにくく感じている場合も多いです。

そのため、自身で抱え込んでしまい、孤独感や不安感につながる恐れもあります。

金銭的な問題

働き手である親が、介護や世話が必要になった場合には、金銭的にも大きな負担となります。そのため、介護による貧困化が進む可能性が高くなってしまいます。

4. ヤングケアラー先進国のイギリスの対応

ヤングケアラーという言葉は、イギリスが発祥と言われています。イギリスでは、ヤングケアラーの支援に、国が率先して行なっています。

例えば、イギリスには、ヤングケアラーのための法律があり、教育・就労、経済的にも支援する体制があります。

他にも、イギリスでは、ヤングケアラー同士やNPO団体職員・地域のボランティアの大人が集まり、悩みや話をする機会が設けられています。ヤングケアラーが悩みを1人で抱えずに、周りと共有することで、精神的なサポートにもつながりやすくなっています。

5. ヤングアダルトケアラーの体験談

私の母親も、妹がまだ高校生の時に、脳の病気により要介護・障害者認定を受けました。妹は、ヤングケアラーにあたる年齢で、私は、ヤングアダルトケアラーの年齢です。

まず困ったのは、家事をする人がいないことと、母親のサポート、経済的な問題です。

家事をする人がいなくなり、仕事をしていた自分自身は、仕事をセーブしました。帰宅後に夜中までお弁当を作ったり、ご飯を作り置きする生活が始まりました。

我が家は共働きだったので、本来は母親の収入もある予定だったため、妹の進学が経済的にも大変でした。6年制の学部に受かりましたが、浪人して4年制の大学を選んでくれました。心はほっとしましたが、おそらく妹の配慮であることは間違いないと思ってます。

母親は、半年以上かけて多少なりとも回復して、自力でトイレは行けるまでになってくれました。しかし、現在でも毎日平日は、訪問介護やデイサービスにお世話になっています。

我が家は、突然の親の病のために、さまざまな変化が一度に来てしまいましたが、ヤングケアラーの方の中には、祖父母や兄弟など10歳以下から介護が始まっている方も多いと伺っています。

介護は人それぞれ違うので、始まらないとわからないものですが、本当に壮絶です。休みもありません。そして、同じような境遇の人がいない、もしくは隠していることが多いため、相談相手がいません。

日本もヤングケアラーの実態をもっと一般の方にも知ってもらい、ヤングケアラーが抱える様々なヤングケアラー問題のサポート体制を作ってもらえたらと思います。