認定される要支援・要介護の介護段階によって、受けられる介護サービス内容や月々の支給される限度額が大きく異なります。
今回は、要支援2と要介護1はどうやって判別されるのかや、要介護1とはどんな状態のことをいうのかを説明していきたいと思います。
また、在宅介護で、要介護1と認定された場合に使える介護保険サービス・月額限度額などをわかりやすくお伝えしていきたいと思います。
- 1. 要介護1とはどんな状態か
- 2. 要介護1で受けることのできる介護サービス
- 3. 要介護1で受けれる介護保険限度額
- 4. 住宅改修は、20万円が限度額
- 5. 要介護1でレンタルできる福祉用具は?
- まとめ
1. 要介護1とはどんな状態か
要介護1の状態とは、食事や排泄などの大抵の日常生活は自立して行うことができる状態です。
しかし、要支援と比べると、部分的に介護・介助が必要と判断された場合に認定されます。
特に、日常の複雑な動作が、介助なしでは難しかったり、認知機能や運動機能が低下している場合が多くあります。
要介護ってどうやって決まるの?
要介護・要支援の段階については、厚生労働省が定めた「要介護認定等基準時間」で決まります。これは、 1日あたり介護・介助や機能訓練にどれくらい時間が必要かを割り出したものになります。
要介護認定等基準時間の段階とは
具体的な要介護認定等基準時間の段階は、要支援1の場合で、25分以上32分未満、要支援2では、32分以上50分未満となります。
要介護認定になると、要介護1の場合は、32分以上50分未満です。これは、要支援と時間的には同じになります。
要介護2では、50分以上70分未満、要介護3では、70分以上90分未満、要介護4では90分以上110分未満、要介護5は110分以上です。
要支援2と要介護1の違いは?
要支援2と要介護1では、要介護認定等基準時間では同じく【32分以上50分未満】と位置づけられています。つまり、介護や機能訓練に必要な時間・身体的な状態は、あまり変わらないと言えます。
要支援2と要介護1の大きな違いは、【認知機能のレベル】と【状態が安定しているかどうか】になります。
例えば、認知症と医師から診断を受けており、日常生活に影響を及ぼしている場合や、末期癌などで状態が短期間で悪化してしまうと見込まれている場合などは、要介護1の認定が出やすくなります。
要介護1の具体例
・トイレや食事は、自立して行うことができるけれども、ベッドからの立ち上がりなどに介助が必要
・トイレや入浴などは、自立して行えるが、掃除などは介助が必要
・日常生活は自力で行えるが、認知症の症状が出始めており、不潔行為などを行うため介助が必要
2. 要介護1で受けることのできる介護サービス
要介護1では、在宅介護サービスと施設サービスを受けることができます。今回は、在宅介護で利用する在宅介護サービスをご紹介します。
利用できる在宅介護サービス一覧
要介護1認定で、利用できる在宅介護サービスは、以下の通りです。
【自宅に来てくれる介護サービス】
✳︎訪問介護・訪問入浴介護・訪問看護
✳︎訪問リハビリテーション
✳︎夜間対応型訪問介護
✳︎居宅療養管理指導
✳︎定期巡回・随時対応型訪問介護看護
【通って受ける介護サービス】
✳︎デイサービス
✳︎通所リハビリテーション
✳︎地域密着型通所介護
✳︎認知症対応型デイサービス
【訪問・通所・短期入所の複合型】
✳︎小規模多機能型居宅介護
✳︎看護小規模多機能型居宅介護
【宿泊型の介護サービス】
デイサービスや訪問介護の頻度は?
デイサービスや訪問介護の頻度については、ケアマネージャーのたてたケアプランで決まります。
通常、要介護1認定だと、週2〜3回の訪問介護やデイサービスが一般的な頻度となります。
3. 要介護1で受けれる介護保険限度額
要介護1と認定された場合に、介護保険サービスの利用限度額は、【1ヵ月あたり16万7,650円】です(2021年1月現在)
利用した介護保険サービスの合計のうち、負担割合に応じて1~3割を自己負担額として支払う必要があります。
支給限度額内に費用が収まるよう、ケアマネジャーと相談しながらケアプランを立てることが大切です。
4. 住宅改修は、20万円が限度額
要介護・要支援認定を受けた場合は、手すりやスロープをつけるなど、介護のための住宅改修費用を上限20万円まで利用することができます。
利用には条件があり、要介護・要支援認定を受けていて、在宅介護を行なっていることが必須になります。
住宅改修費用については、介護保険限度額とは関係がないので、安心して利用することができます。
5. 要介護1でレンタルできる福祉用具は?
要介護1認定では、軽度の運動機能低下などが考えられます。そのため、レンタルできる福祉器具は、「歩行器」「手すり」「スロープ(工事の必要がないもの)」「歩行補助杖(多点杖や松葉杖など)」の4種類のみとなります。
他にも、医師により必要だと認められた福祉用具については、市区町村に申請をすることで、例外給付が認められることもあります。
福祉用具のレンタル代は、月額の介護保健限度額が適応されるため、利用金額には注意が必要です。
まとめ
要介護認定をしてもらうことで、要支援では受けられなかった様々なサービスを受けることができるようになります。
また、福祉用具のレンタルや機能訓練をすることで、介護度が重くならないような予防にもつながります。
要介護1認定を受けた場合には、使えるサービスなどを熟知してから、ケアマネージャーとケアプランの相談をしてみてください。