養護老人ホームは、家族からの虐待や経済的・精神的な理由などで、自宅に住み続けることができなくなった高齢者のための施設です。
特別養護老人ホームと名前は似ていますが、基本的に介護を必要とする人向けの施設ではありません。経済的・心身健康的に自立して生活するためのサポート施設です。
今回は、困っている高齢者の強い味方である養護老人ホームについて、施設の特徴や入居条件、費用・受けられるサービスについてわかりやすく説明したいと思います。
1. 養護老人ホームとは
養護老人ホームとは、生活費が厳しかったり、身体上・精神的などの理由で、自宅で生活できない高齢者に対して、一時的に、保護と自立を目的に入居する施設になります。
老人ホームという名称がつきますが、基本的に、施設では介護サービスを行っておらず、食事や健康管理などの生活支援や、経済的な自立に向けた相談・サポートを行なっています。
2. 養護老人ホームの入居条件
養護老人ホームは、養護を必要とする65歳以上の高齢者を、市区町村の職員が入居の可否を判断します。入所を希望する場合は、まず居住する市町村の老人福祉担当課に相談しましょう。
施設職員による介護サービスは行わないため、必要時は、施設が提携している外部サービスを使うこととなります。要介護認定1以上を受けている場合は、特別養護老人ホームの入居を促されることもあります。
3. 養護老人ホームで受けられるサービス
養護老人ホームでは、経済的にも自立した生活を送れるようにするための一時的な入居施設です。
そのため、経済的な相談や健康管理相談、自立生活に向けた機能訓練などを受けることができます。
主なサービス内容
✳︎経済的な相談
✳︎健康管理相談
✳︎食事などの日常支援
✳︎機能訓練
✳︎レクリエーション
介護が必要な場合
介護が必要な場合は、施設が提携している外部業者による介護サービスを受けることができます。支払いは、介護保険を利用することができます。
4. 養護老人ホームの費用
入居一時金
養護老人ホームでは、入居一時金は無料です。敷金などの費用もかかりません。
月額費用
月額費用は、施設・市区町村・前年度の収入によって、 0円から14万円まで幅があります。災害被害者・生活保護などの受給世帯は、減免措置ができます。
年間収入が27万円未満の場合は、月額費用が0円となり、40万〜42万円では、10,800円です。60万〜64万円では、27,500円など、39段階に分かれて月額費用が決まっています。
月額費用は、本人の支払い能力に合わせて、市区町村が決めてくれるので安心です。本来は払える金額なはずですが、払えない場合は、扶養義務のある家族が支払う必要があります。
5. 養護老人ホームの施設数
養護老人ホームの施設数は、他の施設などに比べてあまり増えておらず横ばいです。
2018年の時点で、全国に953施設あり、63,777人が入居できることになっています。