仕事と介護の両立を応援するブログ

これから介護世代が増える中、育児や仕事と両立していく子供世代も増加します。いまそのような状況になっている方・これから可能性のある方に向けて、介護とはどのようなことなのかをわかりやすくお伝えできればと思います。

親や家族の介護をしながら働く方法

突然パートナーや親の介護が必要になったとき、これからの働き方を考えて、誰もが一度今後の生活を考えてしまいます。

確かに、病院やリハビリ施設で介護されている家族の姿を見て、自宅に帰ってから、自分に出来るのかとても不安になるものです。

今回は、介護離職をして後悔しないかどうか。また、お仕事と介護を両立するための活用できる方法をお伝えし、明るい未来に希望や自信を持っていただければと思います。


1. 介護をしながら働いている人の割合

平成29年度版総務省の調査によると、全国で介護をしながら働いている人は、627 万6千人 もいます。

そのうち、 50歳〜59歳で、仕事と介護を両立されている人の割合は、なんと半分以上の約87%にもなります。

また、平成24年以降は、介護をしながら働く女性の割合は、「70 歳以上」を除く全ての年齢階級で 増えています。

親だけでなく、パートナーや子供など、介護を必要とする家族を支えながら、仕事を両立していく社会になってきています。


2. 介護離職するとどうなるのか

介護離職で最も注目するべきなのは、介護離職した後に、再就職した人が75.5%にものぼることです。いったいどういうことなのでしょうか。

三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社の平成24年の調査ベースで見ると、介護離職したあとに、負担が増えたという人はどれくらいでしょうか。

精神的負担が増えたという人が64.9%、
肉体的負担が増えたという人が56.6%、
経済的負担が増えたという人が74.9%


半分以上の人が、負担が逆に増えたと訴えているのです。さらに、介護離職してから1年以内に再就職する割合は、男性は51.1%と半数以上に及びます。

今の介護は、全部自分たちが行わなければいけない時代から、変わりつつあります。働く人を支えてくれるサービスもたくさんあります。しかし、これを知らないと活用はできません。

最も必要なのは、どんなサービスが受けられるのか事前に調べることだと思います。

3. 最も大切なのは、民間サービス、介護保険を活用すること

最も大切なことは、自分が利用できるサービスを知り、最大限に活用することです。
利用できるサービスを分かりやすく、紹介していきます。

1.介護保険でできること

家族が要介護状態になったときは、介護認定を受けることができます。

病院に入院している状態であれば、病院に来てもらって受けることもできるので、まずは病院のソーシャルワーカーもしくは市町村の窓口に相談しましょう。

病院で認定を受けることが、準備の第一歩です。自宅に帰宅してしまうと、慣れ親しんだ場所であるため、本人の記憶や体験で、できないはずのことが出来る様にみえてしまうことがあります。正確な認定を受けるためにも、病院での認定はおすすめです。

介護認定を受けることで、ケアマネージャーを付けることができ、家庭や介護施設でサービスを受けることができます。

介護保険適応のサービスであれば、65歳以上の高齢者ならびに、40歳以上の特定疾患の患者さんが、1割負担の金額で利用可能です。

訪問介護としては、入浴介助・食事・排泄の手伝いなども受けることができます。
介護施設でのサービスとしては、デイサービスやショートステイを受けることもできます。

例えば私の親の場合、病気による言語障害・視力喪失などもあります。しかし、本人の希望もあり、週に3回2時間訪問してもらい、会話のリハビリや手を動かすリハビリをお願いしています。本人の日常生活にも自信がもてるようで、笑顔も増えて、家族が明るく過ごせるようになりました。

2.介護保険外サービス

介護保険適応外のサービスなため、全額自己負担となってしまいますが、仕事を続けていくうえではありがたいサービスです。
同居する家族のために、食事作り・掃除・洗濯などの一般家事、外出の付き添いなど必要に応じて様々なサービスが用意されています。

3.民間サービス

各市区町村によってサービス内容が異なりますが、有名なのは、紙おむつ支援です。
サービスを受けられる年齢や介護基準もありますが、大体5000円から1万円と、市町村によって異なります。毎月の出費を助けてくれるサービスなので確認しておくほうがよいでしょう。



4. 介護と仕事を両立させるための会社の制度

国レベルの事業として、介護離職をしなくても仕事を続けられる環境づくりが進められています。会社も同様に、介護する家族を抱えた社員にも利用できる制度があります。

1.介護休業制度

介護をするために、年間最大93日間休むことができる制度です。ただし、分割して取りたい場合は、年間3回までの分割が認められています。

介護休業制度を利用するには、事前申請が2週間前に必要なので注意してください。
⇒介護休業制度をもっと詳しく知りたい方はこちらを参考にしてください


2.介護休暇制度

介護休暇制度とは、1日や半日など必要に応じて休みをとることができる制度です。こちらは、1年間に5日間のみとることができるので、通院の付き添いにも利用しやすいです。申請は必要ですが、事後でも大丈夫です。


3.時短勤務・労働時間制限

介護をしながら働いている人は、始業時間の繰り上げや就業時間の繰り上げ・残業免除など負担をさげる制度もあります。


5. やっぱり両立は難しい…そんなときは

両立は難しい…職場にも負担をかけているし、自分も限界。。こんな壁に打ち当たってしまうことも、きっとあるかと思います。

そんなときは、自分で抱え込まずにまず相談することが1番です。誰に相談するんだよ…と感じるかと思いますが、、特にケアマネージャーは、強い味方になってくれると思います。

相談するべき相手としては、主に以下の通りです。なかなか話せない相手もいるかと思いますが、介護離職して後悔する前に、話せる相手から相談してみてはいかがでしょうか。

1. 家族、身内
2. ケアマネージャー
3. 話せるようなら、介護されている本人
4. 病院の先生
5. 職場の上司
6. 地域包括支援センター

そして、それでも解決しない時は、老人ホームやグループホームなどの施設を考えるのも1つの選択です。

少し費用はかかりますが、短期間などでも、施設を利用することで、本人の安全を確保することもできます。さらに、今後長期的に利用することがあるときにも、一度利用しておくことで、ハードルが下がり、本人の安心感にも繋がります。

まずは、本人と、家族が無理をしすぎないことが家族の幸せには1番の近道です。




まとめ

親やパートナー、家族が介護状態になってしまい、悲観的になってしまうかと思います。しかし、その次に悩むのは、自分はこれからどうしていけば良いかです。

介護をしながら働く人を支えてくれるサービスが増えた現代です。介護離職をしたあとに後悔しないように、今回の記事をみて少しでも良い選択を見つけていただけたら幸いです。