仕事と介護の両立を応援するブログ

これから介護世代が増える中、育児や仕事と両立していく子供世代も増加します。いまそのような状況になっている方・これから可能性のある方に向けて、介護とはどのようなことなのかをわかりやすくお伝えできればと思います。

低栄養の高齢者に処方されるエンシュアやラコールの役割とは?

高齢者の低栄養や低体重は、免疫力の低下を引き起こすだけでなく、転倒や骨折リスクなど、要介護状態を招く可能性があります。

定期的に通院していると、低栄養が心配されたときなどに、エンシュアやラコールなどの栄養剤が処方されることがあります。

今回は、低栄養・低体重で、経管栄養となっていない方を対象に、処方されたエンシュアやラコールの役割について、薬剤師がご説明したいと思います。

1. 高齢者と低栄養の関係とは?

高齢者の低栄養の割合とは?

平成29年の厚生労働省による国民健康・栄養調査」では、 65歳以上の約6人に1人が低栄養(BMI20以下)の傾向にあることがわかっています。

さらに、低栄養の傾向は、年齢が上がるほど、また要介護度が高くなるほど割合が上がってしまいます。

低栄養のリスクとは?

低栄養状態が続いてしまうと、筋肉が痩せてしまい、骨折や転倒しやすくなります。また、免疫力が下がるために、風邪を引きやすくなったり、術後の回復が遅れることもあります。

低栄養は、様々なリスクを抱えるだけでなく、認知機能の低下や生存率の低下にまで、深い関係があります。
栄養状態を改善することで、健康寿命を延長することにもつながるのです。

詳しくは、 低栄養の原因と症状についての記事も参照にされてみてください。

2. 低栄養の改善・予防方法とは?

低栄養の食事療法としては、 1日3回の食事を欠食せずに食べることが最も大切です。また、一度にたくさん食べれない方は、分割して食べても大丈夫です。

食事内容は、良質なタンパク質を摂るためにも、肉と魚をバランスよく食べることが大切です。主菜や副菜を組み合わせて、おかずから食べるようにしましょう。

詳しくは、 低栄養の改善・予防法の記事も参照にされてください。

3. エンシュアやラコールの役割とは?

エンシュアや、ラコールは半消化体栄養剤

栄養剤には、半消化体栄養剤・消化体栄養剤・成分栄養剤の3種類があり、この順番に消化吸収しやすいタンパク質の状態に変化されています。

つまり、最も食べ物に近いものが、エンシュアやラコールの半消化体栄養剤となり、最も味も美味しい状態です。

タンパク質が消化されやすい形になっている消化体栄養剤・成分栄養剤は、味もまずく、飲みにくくなっていきます。

エンシュアリキッドとラコールの役割とは?

高齢になると、食事の量が減ってしまうだけでなく、飲み込みや噛む力の低下や病気などが原因でも、低栄養になりやすくなります。

そのような高齢者特有の栄養補給に使えるのが、エンシュアやラコールになります。

エンシュアリキッドとラコールの違いとは?

ラコールとエンシュアリキッドの最も違う特徴は、カロリーに対してラコールの方が脂質が少なくなっていることです。脂質が少ないと、消化不良などによる下痢の副作用が現れにくくなります。

また、水分量にも違いがあります。ハイカロリータイプのエンシュアは、水分量が78%となっており、ノーマルタイプのエンシュアやラコールの85%とくらべて少なめになっています。これは、より効率よく栄養を取れると共に、過剰な水分が原因での下痢を防ぐことができます。

つまり、脂質に対して消化吸収がしっかりできる方であれば、エンシュアHが最も効率よく栄養を摂れて、下痢の頻度も低いと言えます。

エンシュアとラコールは、一度に飲まなくてもOK

エンシュアやラコールは、 1日かけて少しずつとることが可能です。開封後は、缶やパウチから、コップなどに移し替えて、冷蔵庫で保存をしましょう。

ラコール・エンシュアの使用上の注意

エンシュアは、開封後は48時間以内に使い切ること、ラコールは、24時間以内に使い切ることが注意書きになされています。

また、タンパク質や栄養が壊れないように、人肌以上には、温めないように注意しましょう。

4. エンシュアリキッドのおすすめフレーバーは?

エンシュアリキッドには、ハイカロリータイプとノーマルタイプの2種類があります。

味は、 全部で7種類(バニラ味、 コーヒー味、 バナナ味、 黒糖味、 メロン味、 ストロベリー味、 抹茶味)となってます。味付けは、香料のみの追加となっているので、成分の大きな違いはありません。

飲みやすいフレーバーを選ぶことで、エンシュアが甘すぎて飲みたくないなどのアドビアランスの低下を防ぐことができます。

1番人気は、コーヒー味

1番人気は、コーヒー味になります。昔ながらの甘めのコーヒーミルクのような味で、飲みやすいといえます。

1番最新は、抹茶味

1番最新の味は、抹茶味です。これは、かなり…個人的には美味しいと思えませんでした。抹茶というよりは、お茶とはまた違うへんな風味が後に残ってしまい、とてもたくさんは飲めませんでした。

1番おすすめは、○○味

1番おすすめは、黒糖味とバナナ味になります。ハイカロリータイプのエンシュアは、飲みにくさもありますが、バナナ味は爽やかで、かなり飲みやすいです。さらに飽きにくい!

黒糖は、コーヒー味に近いコクと旨味が残り、こちらも飲みやすいです。薬局でも、黒糖は、女性の方に人気が高いです。

5. ラコールのおすすめの使い方は?

ラコールは、エンシュアよりも甘みを抑えた経管栄養剤になります。味も薄めなので、エンシュアよりも飲みやすいと感じる方も多いです。

ラコールのおすすめの使い方は、ゼラチンでババロアにすることで、デザート感覚で食べることができます。 こちらの方のブログを参考にされてみてください。

ラコールを始めるときに、そのままで飲むことに抵抗がある場合などは、ぜひ試してみてください。