仕事と介護の両立を応援するブログ

これから介護世代が増える中、育児や仕事と両立していく子供世代も増加します。いまそのような状況になっている方・これから可能性のある方に向けて、介護とはどのようなことなのかをわかりやすくお伝えできればと思います。

トロミ剤の適切な使い方と、注意点とは?

噛む力が弱くなったり、飲み込みが苦手になると、食事や飲み物にもトロミ剤の利用が必要になります。

しかし、トロミ剤を適正に使わなければ、硬くなりぎてしまったり、やわらかすぎて嚥下に危険を伴うこともあります。

今回は、市販のトロミ剤の適切な使い方と、その注意点について、解説したいと思います。

1. トロミ剤とは?

噛む力が弱くなったり、飲み込みが苦手になると、食事や飲み物にトロミをつけることで、飲み込みを助けてくれます。

市販のトロミ剤は、片栗粉のように温める必要がないので、冷たい飲み物などにもそのまま使うことができます。また、最近のトロミ剤は、無色透明で、時間が経ってもトロミが継続するので、とても使いやすくなっています。

2. トロミ剤の使い方

トロミ剤の使い方は、商品によって適正分量が異なるので、用法容量通りに使う必要があります。使いすぎてしまうと、固まってしまいとても危険です。

食べ物などにトロミ剤を使う場合

食べ物やおかずにトロミ剤を使う場合には、直接おかずにトロミ剤を適正量入れて、勢いよく縦に混ぜます。しっかり早く混ぜることで、ダマになるのを防ぎます。

混ぜた後は、 2〜3分置くと、トロミは安定してきます。ダマになってしまった場合には、茶こしなどで取り除きましょう。

飲み物やスープにトロミ剤を使う場合

飲み物やスープは、ちょうどいい硬さにするのにコツが必要です。まずは、トロミ剤を適正用量いれて、勢いよく縦に混ぜます。

その後、 10分程度おいてから、再度混ぜることで、トロミがつきやすくなります。

冷たい飲み物にも使いやすいトロミ剤


【ニュートリー】 ソフティアS とろみ食用 innobox本体 500g

ソフティアSは、冷たいものも温かいものにも、素早く溶けてダマになりにくく、とても使いやすいです。ドラッグストアでは、なかなか手に入らないシリーズですが、大容量なのでとてもお得です。

https://kaigo.link/entry/toromizai-ranking/
市販のトロミ剤の使いやすいランキングの記事も是非参考にされてみてください。

3. 嚥下能力別のトロミ食の分類

嚥下食は、飲み込む力に合わせて硬さを4段階で調節します。それぞれどのぐらいの硬さかにあわせて、トロミ剤を活用していきます。

噛まなくても良い硬さ

ゼリーやムース食など噛まなくても飲み込める食事になります。全てすり潰す必要があります。

舌で潰せる硬さ

ミキサーで食材やお粥を潰すとともに、トロミをつけて、飲み込みしやすくした食事です。

歯茎で潰せる硬さ

食材の形は、残しつつも柔らかくしたり、小さめにした食事で、食べにくいものは、ミキサーで砕く必要があります。トロミ剤も活用して、飲み込みやすくします。

簡単に噛める硬さ

野菜の切り方をひょうし切りなどにして、食べやすくする必要があります。食材は、パサパサしないように気を付けて、柔らかくします。
場合によっては、ソースや汁物にトロミ剤を活用します。

4. 濃度別トロミ剤の活用法

トロミ剤は、濃度を調節することで、段階的なトロミをつけることができます。

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日本介護食品協議会より

最近のトロミ剤は、冷たいものでも温かいものでも、同じ量でしっかりトロミがつくようになっています。また、時間が経ってもトロミが持続しますが、トロミ剤の量によっては、硬くなりすぎることもあるので、注意が必要です。

トロミ剤を使って、やわらかすぎた場合

トロミ剤を使ったけれども、やわらかすぎた場合には、少し時間を置いてみましょう。 5分くらいでトロミが安定することもあります。

それでもトロミが弱いと感じたら、直接トロミ剤を加えてはいけません。まず、同じ飲み物や食べ物に、濃いめにトロミ剤を加えます。やや強めにトロミがついたものを、かき混ぜて加えるようにしてください。

トロミ剤が濃すぎて硬い場合

トロミ剤を入れすぎて、柔らかくしたい場合には、同じ飲み物や食べ物を加えることで、トロミがやわらぎます。

5. トロミ剤を使う注意点とは?

トロミ剤を使う時には、注意点がいくつかあります。それぞれを詳しく説明していきます。

嚥下能力に合わせたトロミ付けを

嚥下能力に合わせて、食事の柔らかさやトロミの段階も異なります。トロミは、嚥下能力に合わせた硬さに調節しましょう。

縦に混ぜるとトロミが均一になる

トロミ剤を加えた後は、すばやくかき混ぜることで、ダマになることを防ぎます。円を描くように混ぜるよりも、縦方向に混ぜたほうがトロミがつきやすくなります。

適正用量を守る

トロミ剤の説明をよく読み、適正用量をはかってから使いましょう。硬くなりすぎると、詰まらせてしまう恐れがあり、とても危険です。

トロミの調節法に気をつける

前述でも紹介しましたが、トロミが足りない時には、直接トロミ剤を加えてはいけません。同じ食べ物に濃いめにトロミ剤を加えたものを、足すようにしましょう。

6. 持ち運びに便利!嚥下困難な方のための水分補給アイテム

お散歩や通院などの外出時も、水分摂取は必須となります。しかし、外出先で水分にトロミをつけるのは、とても難しい作業です。


アイソトニックゼリー(100ml*30本入)

アイソトニックゼリーは、 99.9%水分でできているクラッシュタイプのゼリーです。ポカリスエットを薄めたような味で、OS1のような塩気もなく、とても飲みやすい・美味しい味となっています。

嚥下困難な方のために特別に作られた水分補給アイテムなので、安全に水分補給できます。また、持ち運びに便利な100mlタイプは、力の弱くなった方でも容易に開栓できるので、非常に便利です。

私も誤嚥性肺炎を繰り返す祖父に、夏場の水分補給は、畑にアイソトニックゼリーを持って行ってもらい、摂ってもらっていました。冷やすと喉越しもさらに良くなるので、とても喜んでくれました。

まとめ

トロミ剤を適切に使うことで、嚥下困難な方でも美味しく食事を楽しむことができます。

また、片栗粉などのとろみ付けは、温めないと使えない上に、時間の経過とともにとろみがなくなってしまいます。しかし、市販のトロミ剤を用いることで、温度にかかわらず簡単にトロミ付けをすることができます。

値段や個包装などのパッケージングに合わせて、是非ご自分に合ったトロミ剤を見つけていただけたらと思います。