少子高齢化により、高齢者の数は年々増加しています。今後は、高齢化社会から多死社会へと移行していく心配が予想されています。
今回は、多死社会とはどんな状態なのか?死ぬ場所が見つからない看取り難民の可能性についてもお伝えしていきたいと思います。
1. 多死社会とは?
多死社会とは、少子化による高齢化社会の次に起こり得る社会形態になります。高齢化がどんどん進むにつれて、平均寿命を迎える人の数が一気に増加していきます。
そのため、死亡数が一気に増加して、人口が減っていくという仕組みになっています。
現在の予想では、出生率が上がらない場合には、 2038年に変化を迎えると言われており、年間死亡数170万人と予想されています。2020年の死亡数は、138万4544人だったので、 1年間に約40万人以上死亡者数が増えていくことがわかります。
2. 看取り難民とは?
進んでいく少子高齢化により、医療サービスでは終末期医療や看取りを賄いきれない可能性があります。
また、核家族が増えているため、老老介護や認認介護の問題も増加しています。子供世代が別の地域・住居に住んでいることにより、老夫婦同士の介護や認知症患者同士の介護が、増加しているのです。
核家族の増加は、家族の看取りを受けることができず孤独死していまう可能性も高まります。 2035年には死ぬ場所が見つからない看取り難民は、約47万人にも達すると予想されています。
3. 看取りもできる在宅介護の必要性
多死社会を迎えることで、医療機関では治療や、看取り数がパンクしてしまい、在宅介護の必要性は今まで以上に高まると予想されます。
しかし、在宅介護での看取りについては、準備や家族の協力も必要となってしまいます。
2015年の介護保険法の改正で、「在宅医療・介護の連携推進」を制度化されたことにより、在宅医療を行いやすくなりました。
中でも、 24時間訪問診療・往診を行うことができる在宅療養支援診療所を全国的に広めていくことにより、自宅での看取り体制も整えることができます。
在宅療養支援診療所は、今まで入院が必要であった高度医療が必要な方の在宅治療や、看取り・ターミナルケアまで行ってくれる訪問医療機関になります。詳しくは、こちらの記事を参考にされてください。
https://kaigo.link/entry/zaitakuryouyoushien-hospitals/guide/
医療提供できるベッド数は、全国的にも限られてしまうため、今後はより一層、在宅介護への推進が進められると予想されます。
まとめ
少子高齢化により、高齢者の割合が増えるだけでなく、死亡者数も激増していく恐れがあります。
今後はさらなる在宅介護の重要性が高まると考えられます。自分の住んでいる地域で受けられる医療や介護など、知っておくことが必要です。