視覚障害者のためにつくられた世界アプリ、 Seeing AIが日本語認識できるようになりました。
Seeing AIは、スマホのカメラを利用することで、カメラに映った景色や製品・レストランメニューを認識できるとされています。
今回は、日本語版Seeing AIを、実際に利用しながら、日常生活を送ってみました。
Seeing AIが本当に視覚障害の方に便利なのかどうか検証してみますので、参考になればと思います。
- 1. Seeing AIとは
- 2. Seeing AIの登録方法と使い方
- 3. Seeing AIと買い物
- 4. Seeing AIと文章認識
- 5. Seeing AIとお金の認識
- 6. Seeing AIと人物の認識
- 7. Seeing AIとシーン・プレビュー機能
- まとめ
1. Seeing AIとは
Seeing AIとは、アプリをスマートフォンにダウンロードすることで利用できる AI機能搭載の便利機能になります。
アプリのダウンロード済みのスマートフォンで、カメラ機能を使うと、カメラに写っているものや言葉を、リアルタイムで音声化してくれます。
この機能により、視覚障害のある方でも、カメラ機能を使うだけで、レストランメニューや買い物が楽になるといわれています。
一方で、Seeing AIは長い間、英語版のみの利用だったので、日本語版の正確性や機能についてはまだあまり知られていません。
今回は、日本語版を実際に使って、検証をしてみることにしまし。
2. Seeing AIの登録方法と使い方
ステップ1
アップルストアから、Seeing AIアプリを選んで、登録に進みます。
ステップ2
登録を済ませると、以下のような画像が出てきます。
あくまで、便利アプリとして使ってくださいねという内容になります。
ステップ3
上記画像を同意すると、すぐに使うことができます。
カメラモードに変わり、下にアイコンがでてきます。アイコンは、8種類あります。
ステップ4
アイコンは、以下の8種類あります。
・短いテキスト
・ドキュメント
・製品
・人物
・通貨
・シーン・プレビュー
・色
・ライト
アイコンをタップすると、音声で【ドキュメント】などアイコン内容を教えてくれます。
その後、カメラを教えてほしいものに向けて、認識させます。
うまくカメラが認識できない時は、【下と左端が表示されていません】など、音声により、詳しくサポートしてくれます。
3. Seeing AIと買い物
視覚障害の方にとっては、買い物は最も苦労する仕事の一つです。商品を選ぶことも、金額や賞味期限を知ることも難しいため、オンラインショッピングなどを活用する方も多いと思います。
今回は、コンビニの買い物にSeeing AIを使ってみました。Seeing AIの製品というアイコンを選んで、商品のバーコードに向かってかざします。
まさかのネイティブ発音の英語で、製品をしっかり教えてくれました。
日本向けのアプリでは無いので、認識されない商品が多い!!今後に期待です。
今まで音声情報が全く無い状態の、買い物に慣れている方には、少しの情報は使えそうです。しかしまだ、導入したてということもあり、買い物に役立つとまではいかなそうです。
4. Seeing AIと文章認識
届いた葉書を使って、テキストとドキュメントの認識を行ってみました。
まずは、テキストとドキュメントの違いから説明します。
テキストは、カメラに写っている箇所の文章を読み上げてくれます。カメラを移動させれば、上から順番に読んでくれます。
一方で、ドキュメントは、テキスト全体を写真に撮ってから、全体をまとめて読み上げてくれる仕組みです。
テキスト全体を写すことが、視覚障害には難しいのかなと思います。一応、音声ガイダンスで、左端が写っていませんなど教えてくれます。
テキストは、メニューや手紙など、知りたい部分だけの情報については、使い勝手がいいと思います。
ドキュメントは、説明書など、全体を知りたい時には使えそうです。
全体的に日本語の区切りがおかしかったり、漢字が読めないなど気になる部分も多くありました。¥マークを、ワイと読むのは、どうにかしてほしいものです。
5. Seeing AIとお金の認識
お金のアイコンを選んで、コインとお札の認識をしてみました。コインについては、認識がうまくできませんでしたが、お札については音声でしっかりと1000円など教えてくれました。
お札の管理はこちらを参考にされてください。
✳︎ ︎視覚障害を持つ方のためのお札の識別と管理方法とは
小銭の管理はこちらを参考にされてください。
✳︎ ︎視覚障害を持つ方のための小銭の識別と管理方法とは
6. Seeing AIと人物の認識
人物のアイコンを選んで、目の前にいる家族の顔を認識させてみました。
Seeing AIからは、【1メートル手前に人物が1人います】という音声ガイダンスが流れ、顔の特徴や性別の認識はありませんでした。
しかし、事前に認識させたい人物の顔を写真で登録しておけば、認識ができるとのことでした。ヘルパーさんなど、事前に分かっている人に関しては、登録しておく必要があります。
7. Seeing AIとシーン・プレビュー機能
Seeing AIのシーン・プレビューアイコンを選択して、風景を認識させてみました。特に視覚障害の方に重要な階段・エスカレーター・エレベーターの認識機能を確認してみます。
階段は、別のアングルで撮っても、認識可能なことがわかりました。
エスカレーターも、階段との識別ができています。
エレベーターの認識は、難しいのか?!このエレベーターに広告がついているからなのか、認識してくれませんでした。
まとめ
Seeing AIは、視覚障害のある方にとって、すごく有益なアプリとは言えませんが、無料でダウンロードできるので、あってもいいかなという感じです。
全盲の方が、外で使いこなすのはとても難しく、なんとなくここに何かあるかな程度までわかる弱視の方の方が役に立つと思います。
今後日本の製品やバーコード、エレベーターのマークなどが認識されるようになれば、買い物やお出かけにも活用できるといえます。