核家族が増えていることで、子供世帯が遠距離に暮らすことにより、老夫婦が片方の介護を担う老老介護が問題視されています。
医療の発達により、平均寿命も伸びているため、今後も老老介護が増え続けると言われています。
今回は、老老介護の問題とはどんな状態なのか?老老介護の問題と対策について解説したいと思います。
1. 老老介護とは?
老老介護とは、 65歳以上の高齢者が、おなじく65歳を超える高齢者を介護している状態をいいます。高齢者同士の介護となるため、老夫婦の片側を介護する世帯や、高齢の兄弟・姉妹が介護する場合、高齢の子供が更に高齢となった親を介護する場合などがあります。
厚生省の2019年 国民生活基礎調査によると、在宅介護を受けている65歳以上の高齢者のうち過半数以上の約59%が老老介護とわかっています。
2. 老老介護の問題とは?
老老介護は、核家族が増えている日本では大きな問題となっています。子供が離れて暮らすことにより、残された夫婦が高齢で要介護になったときには、どちらかが介護をしなくてはいけません。そのため、老老介護が増え続けているのです。
では、老老介護の問題点とはどのようなものがあるのでしょうか。
老老介護は体力的に厳しい
老老介護では、体力が低下している高齢者が介護をしなければいけないため、体力的な限界があります。
介護をするには、トイレや入浴の介助、歩行の介助など様々な肉体的負担があります。
老老介護は精神的に追い詰められやすい
老老介護を行うことにより、社会から孤立して外部とのコミュニケーション不足になってしまいます。さらに、介護疲れや精神的な負担から、追い詰められて事件になってしまうケースもあります。
老老介護は共倒れに注意
老老介護は、肉体的にも精神的にも負担が大きいため、共倒れになってしまうこともあります。
まずは頼れる身内に相談したり、国のサービスを活用することが必要といえます。
3. 老老介護の対策は?
国の介護サービスを活用する
住まい・医療・介護・予防・生活支援を一体化している地域包括支援センターへ相談することが大切です。地域包括支援センターには、ケアマネージャーなどが設置されているので、家庭での介護の問題点や地域で利用できる介護サービスを紹介してくれます。
老老介護の場合には、自分で調べて行動することが難しい場合も多いので、まずは、もよりの地域包括支援センターへ行くことがおすすめです。
介護サービスを利用する
日中はデイサービスなどを利用して、お風呂や食事、他人とのコミュニケーションをとってもらうこともできます。また、介護疲れがひどい場合には、短期間施設へ宿泊してもらうショートステイもおすすめです。
家庭で介護サービスを受けたい場合には、訪問介護もあります。
施設への入居を考える
特別養護老人ホームなどは、場所によってはまだ入居待ちに時間がかかる場合もあります。今すぐに施設入居をするつもりがなくても、早めに自分の地域にどんな施設があるのか、施設入居の手配や見学をしておくことは大切です。
施設への入居を考慮することにより、今までより肩の荷がおりることもあります。
まとめ
老老介護には、精神的・肉体的な負担が大きくなってしまいます。また、社会からの孤立もしやすくなるため、介護サービスやケアマネージャーの介入が必要です。