高齢者はお金持ちという考えは、団塊の世代までで、これからは、「下流老人」が爆発的に増えるといわれています。
高齢化が進み、介護費用や生活費も長期間必要となる一方で、収入や年金が少なく、子供にその負担がいってしまうこともしばしばです。
今回は、持ち家を担保にいれることで、生活費や介護費用のための、融資をうけとることのできるリバースモーゲージについて説明していきたいと思います。
リバースモーゲージは、今後高齢者の、老後資金の救世主になるとも考えられています。
しかし、リバースモーゲージには、メリット・デメリットもあります。また、リバースモーゲージそのものが浸透していないので、複雑でわかりにくいという方も多いです。
解説をご覧いただき、よく理解した上で、検討してみてください。
目次
1. リバースモーゲージとは
リバースモーゲージとは、持ち家(主に一軒家)を担保にして、銀行や自治体から融資を受ける方法です。
例えば、持ち家を査定してもらい、2000万円の価値があると判断されるとします。その持ち家を担保にして、持ち主が生存中に1000万円の融資をうけ、亡くなったとしましょう。
残りの1000万円は、相続人に受け渡され、担保にした自宅は、金融機関や自治体に返却するという仕組みです。
リバースモーゲージの良い点は、融資を受けつつ、自宅に住み続けることができることです。
2. リバースモーゲージの利用条件
申し込みには年齢制限あり
リバースモーゲージを利用できるのは、多くの場合で満55歳から80歳までとなります。
融資金の利用目的について
リバースモーゲージにより受けた融資金については、投資や事業資金に当てることができません。基本的には、生活費としての利用を目的に融資を受けることができます。
自宅のリフォームやローン完済、老人ホームの入居費用などに当てることはできます。
担保とできる自宅価値について
基本的に、リバースモーゲージは、老朽化する建物ではなく、土地を評価します。
そのため、マンションではなく一戸建てが融資対象となることが殆どです。
例外としては、首都圏や築浅、駅近で価値の高いマンションであれば、対象となることもあります。
融資を受けることのできる金額は、物件評価額の70%くらいが平均です。
利息は発生する
リバースモーゲージの担保にした家に、住み続けている間は、利息が発生します。
3. リバースモーゲージの支払い方法
年金タイプ
毎月もしくは、1年に1回決まった額の融資を受けることができるタイプです。
一括支払い
融資額を可能な限り一括で支払ってもらうプランです。老人ホームの入居費用などに当てることもできます。
随時支払い
必要な時に、融資可能な分だけ支払ってもらえるプランです。月々の生活費は、年金などで賄えている場合には、こちらがおすすめです。
4. リバースモーゲージのメリット
自宅に住み続けることができる
リバースモーゲージは、利息の支払いは必要ですが、自宅にずっと住み続けることができるのが最大のメリットです。
生活費をまかなえる
リバースモーゲージの融資により、生活費をまかなうことができます。他にも、支払い切れていなかった住宅ローンに当てることもできます。
また、介護により必要なリフォームの資金としても使えます。
相続で揉めない
家を残さない・存命のうちに融資を受けることで、親族内の相続で揉める要素を減らすことができます。
毎月の支払いは利息のみ
リバースモーゲージは、住宅ローンとは逆の発想で、住宅を担保にし、融資を受ける形になります。
そのため、担保にした住宅を返却するまでは、利息の支払い義務があります。
5. リバースモーゲージのデメリット
申し込みに制限がある
年齢制限や、担保となる家がマンションだと受けれないなど、利用には制限があります。
長生きのデメリット
リバースモーゲージで、融資期間が満了しても、長生きにより自宅に住み続けることとなります。
その場合は、融資金額はストップしてしまいますが、利息だけ払い続ける必要がでてきます。
土地の下落のおそれ
何かが原因となり、土地の価値が下落してしまった場合に起こり得ます。
融資金額が減ってしまったり、融資がストップしてしまうこともあります。
すでに受けていた融資金が限度額を超えてしまった場合は、支払いが必要になる可能性もあります。
金利の上昇リスク
金利が大幅に上がってしまった場合には、毎月の返済額が上がってしまう可能性があります。
まとめ
リバースモーゲージは、今後高齢化社会が進むにつれて、とても利用価値の高い金融商品です。
一方で、メリット・デメリットについてよく理解しておく必要もあります。
子供に家を残す必要のない場合や、いずれは施設への入居も検討している場合などは、取り入れやすいですね。