リバースモーゲージは、生活資金をもらいつつも、自宅に住み続けられるため、新たな老後資金作りの方法として注目されています。
一方で、システム自体が難しく、十分理解して行わなければ損をしてしまう可能性もあります。
今回は、リバースモーゲージの気をつけるべき点を、わかりやすくお伝えしていきたいと思います。リバースモーゲージを検討されている方は、後から後悔のないように、参考にしていただければと思います。
目次
- 1. リバースモーゲージとは
- 2. 毎月払う利息の計算方法
- 3. リバースモーゲージの落し穴
- 4. 低所得者向けのリバースモーゲージとは?
- 5. リバースモーゲージがおすすめな人
- 6. リバースモーゲージがおすすめではない人
- まとめ
1. リバースモーゲージとは
リバースモーゲージとは、自治体や銀行に、自宅【主に戸建て】を担保に、住み続けながらお金を受け取れる仕組みです。
簡単にいうと、自宅が、3000万円の価値があると査定されたとします。
査定額のうち、毎月少しずつ生活費としてのお金を受け取りながら、自宅にそのまま住み続けることができるのです。
ただし、住んでいる間は、利息のみ払い続ける必要があります。
担保にした自宅は、施設入居や亡くなって不要となってから返却します。
2. 毎月払う利息の計算方法
毎月支払う利息は、基本的に変動金利です。そして金利は高めで、2020年現在で2.6〜3.5%くらいが平均です。
利息の計算方法は、以下の通りです。
借入金額✖️年利率➗12=毎月払う利息
借入金額が3000万円で、年利率が2.6%だとします。上記の計算では、月々6.5万円ずつ利息を支払う計算になります。
高いと思いがちですが、住み続ける上で、都心部では、相場の家賃よりは、安く済むかと思います。
3. リバースモーゲージの落し穴
金利が高くて変動する
金利設定がもともと高いため、借入金額によっては、毎月支払う利息がとても高額になってしまいます。
また、変動金利のため、経済が悪化すると、金利が高くなるリスクもあります。
物件価値が下がるリスク
リバースモーゲージでは、1年ごとに土地の価値を見直します。もし、途中で価値が下がってしまう可能性もあります。
また、亡くなった後で売却した時の金額が、借りれ金額よりも安くなってしまった時は、差額を残された子供たちが払う必要があります。(住宅金融支援機構が行なっているリバースモーゲージでは、相続人は支払わなくて良いことになっていることもあります)
長生きすると、損をする
住んでいる間は、利息を払い続けないといけません。そのため、融資満了してしまっても、住んでいる間は利息を払う必要があります。
物件価値が低い金額になる
リバースモーゲージや、リースバックでは、不動産市場額よりも安く取引されてしまいます。
例えば、リースバックでは、市場価値の約7割を上限に、借入金額が決まります。
急いで資金調達が必要ないのであれば、住まなくなった後に売却するほうが、利息を払う必要もないので利益率は高いです。
4. 低所得者向けのリバースモーゲージとは?
住宅金融支援機構が行なっているリバースモーゲージは、低所得者向けに金利が1%程度など、低く設定されています。そのため、月々の支払いがとても安く済む利点があります。
あくまで低所得者向けのシステムなので、申し込みには、所得制限があります。また、65歳以上からという、年齢制限と、保証人を立てる必要があります。
5. リバースモーゲージがおすすめな人
生活費が必要な人
リバースモーゲージで受けた融資のお金は、事業関係では使うことができません。そのため、基本的には、生活費として利用することとなります。
毎月の年金では、生活費が少し足りないという方には、新しい老後資金の形としておすすめです。
資産整理をしたい人
一人暮らしで、子供がいない方や、子供に家を残す必要のない方には、おすすめです。
住宅ローンが残っている人
物件価値が2000万円と査定されて、住宅ローがまだ1000万円残っている場合、リバースモーゲージを利用することができます。
住宅ローンで月々10万円の支払いをしていたとしても、リバースモーゲージに切り替えてしまえば利息のみの支払いで済みます。
そのため、返済が月々10万円から、月数万円に減らすことができます。
つまり、返済が減った分だけ、生活に余裕ができるのです。
6. リバースモーゲージがおすすめではない人
家族が同居している人
リバースモーゲージでは、家を担保に入れてしまうので、家族が同居している人には不向きです。
すぐに資金調達が必要ではない人
リバースモーゲージでは、自宅を査定しても、市場の不動産価値より、安く取引されてしまいます。
急がないのであれば、老人ホームに入居してから、自宅を売却などした方が、利息も払う必要がないので有益です。
まとめ
リバースモーゲージは、新しい老後資金調達の方法として、これからも、重宝されそうてます。
一方で、気をつけるべきことを十分理解して行わなければ、損をしてしまう可能性があるので注意したいところです。