ポータブルトイレは、トイレまで移動することが難しい方でも、ベッドサイドなどに置くことで、排泄できる移動式簡易トイレのことです。
在宅介護をするうえで、オムツなどの排泄ケアは、介護をする側・介護を受ける側の両方に、とても大きな負担となります。
今回は、オムツへの移行の歯止めとなるポータブルトイレについて、使い方と種類、購入方法をまとめたいと思います。
1. ポータブルトイレとは
ポータブルトイレとは、トイレまで行くのが難しい方などのためできた移動式簡易トイレのことになります。
尿意や便意があり、少しの移動なら自力で出来る方や、下着の着脱を自分でできる方は、オムツへの導入を遅らせることができます。
✳︎ ︎ポータブルトイレとはどんな役割・メリットがあるのか
くわしくはこちらの記事も参考にされてください。
2. ポータブルトイレの種類
プラスチック製標準型
プラスチック製標準型は、最も一般的なポータブルトイレになります。軽量のため持ち運びが楽で、お手入れもしやすい設計です。
一方で、軽量のため安定性が悪く、よりかかるとずれて危険なこともあります。
立ちあがりや座る動作が安定している方向きです。
木製いす型
木製いす型は、家具調とも呼ばれ、重厚感があり安定感もあります。立ち上がりや座る動作が不安定な方でも、比較的安心して使用することができます。
一方で、木製いす型はややお値段が高めになり、お手入れもしにくくなります。
金属製コモード型
金属製コモード型は、安定感もあり、シンプルな作りなので、お手入れも簡単です。
また、座面の高さ調節もしやすい作りになっています。
デメリットとしては、金属部分が剥き出しのため、部屋の色調とマッチしにくいことがあります。
スチール製ベッドサイド設置型
スチール製ベッドサイド設置型は、ベッドの高さに合わせて座面を調節することができる設計になっています。ベッドから移動するのが難しい方には、こちらのタイプがおすすめです。
高機能ポータブルトイレ
基本的には、ポータブルトイレの種類は、上記4種類になります。しかし、現在は、水洗式やラップ式など、バケツ処理をしなくても済むような高機能ポータブルトイレもあります。
詳しくはこちらを参考にしてみてください。
ポータブルトイレは、お手入れがとても大変です。お値段は高くなりますが、ずっと利用するものですので、高機能ポータブルトイレが最もおすすめといえます。
3. ポータブルトイレの使い方
ポータブルトイレの使い方は、介助が必要な方と自力で行える方によって、使い方は異なります。
いずれの場合でも、ベッドサイドにポータブルトイレを置く場合には、トイレの高さをベッドと同じ高さにしておくことで、移動の動作が楽になります。
介助が必要な方
1.ベッドに浅く腰掛けてもらいます。
2.体を支えながらポータブルトイレまで移動します。
3.ポータブルトイレの手すりに掴まってもらい、介護する側は、下着をおろします。
4.転倒に注意して、ポータブルトイレに座ってもらいます。姿勢を保てるように必要時支えてあげます。
5.排泄したあとに、陰部を綺麗に拭き取ります。
6.再度手すりに掴まって、軽く立ち上がり、ズボンと下着をあげてあげます。
7.転倒に注意しながら、ベッドへ移動します。
自力で行える方
1.ベッドから立ち上がり、手すりを使って、体を支えつつ、ポータブルトイレにいきます。
2.自力で下着をずらして、ポータブルトイレに座ります。
3.排泄後、陰部を拭き取り、立ち上がってから服をあげます。
4.転倒に注意しながら、ポータブルトイレからベッドに戻ります。
ポータブルトイレの後処理
バケツ式のポータブルトイレで排泄したあとは、すぐに汚物を処理して、バケツを掃除する必要があります。
特に、バケツがプラスチック製の場合には、臭いが染み込んでしまい、部屋中に充満してしまう可能性もあるからです。
バケツ処理やポータブルトイレの臭い対策については、こちらを参考にされてみてください。
4. ポータブルトイレの購入方法
ポータブルトイレは、介護認定を受けている場合には、介護保険を利用して購入することができます。これは、要介護ごとの毎月の利用限度額には当てはまらず、毎年10万円を上限として1割負担で商品を購入することができます。
地域によっては、役所に事前申請する必要があるため、まずは役所に相談しましょう。また、購入するときは、指定の業者からの購入となるため注意してください。
まとめ
ポータブルトイレは、おむつ介護を遅らせるだけでなく、トイレで排泄できることで、要介護者の自信にもつながります。
介護認定をうけていれば、介護保険を利用して購入することもできます。興味のある方は、ぜひケアマネージャーや役所に相談してみてください。