仕事と介護の両立を応援するブログ

これから介護世代が増える中、育児や仕事と両立していく子供世代も増加します。いまそのような状況になっている方・これから可能性のある方に向けて、介護とはどのようなことなのかをわかりやすくお伝えできればと思います。

高齢者の口腔ケアとは?正しい歯磨きの方法とは?

高齢者になると、唾液の分泌量が少なくなり、口腔環境が悪化しやすくなります。口腔内に雑菌が繁殖すると、歯周病の原因となるだけでなく、誤嚥性肺炎にもつながることがわかっています。

今回は、高齢者および介護の必要な高齢者をもつ方のために、口腔ケアの概要をお伝えしていきます。また、正しい歯ブラシ・うがい方法や、入れ歯のメンテナンス、歯磨きのできない方の清拭についてもご説明します。

1. 高齢者の口腔ケアとは

高齢者の口腔ケアには、歯磨きで口の中を清潔に保つことで、歯周病を予防するケアと、食べ物を噛むことで誤嚥性肺炎を予防するなどの機能訓練を交えたケアの2種類があります。

2. 口腔ケアの方法

口腔ケアの方法には、自宅でできるセルフケアと、デンタルサロンでうけるプロフェッショナルケアがあります。

セルフケアの方法

セルフケアでは、歯ブラシで口腔内を清潔にしたり唾液の分泌にむけて刺激を与えるだけでなく、歯間ブラシやフロスによって、歯の間の汚れをとります。

日々のセルフケアにより、唾液腺が刺激をうけて、唾液量が増えたり、細菌の繁殖が減ることで、口臭や感染症の予防にもつながります。

プロフェッショナルケアの頻度

歯医者さんで行われるプロフェッショナルケアでは、自宅ではできない歯石の除去や、口腔ケアのアドバイスを専門家にしてもらうことができます。

歯の定期メンテナンスに行く頻度は、1ヶ月〜3ヶ月が目安になります。しかし、唾液が少なくなり、口腔内の清潔が保てなくなると、2週間に1回や毎週リハビリも兼ねて通われる方もいらっしゃいます。
頻度について詳しくは、主治医と相談しましょう。

3. 正しい歯磨きのやり方

歯ブラシの持ち方

歯ブラシは、鉛筆のように持ち、力を抜いて行います。力を入れすぎると、歯茎に負担がかかるので注意してください。鉛筆の持ち方は、余計な力がかかりにくいといわれています。

歯ブラシのブラシがすぐに広がってしまう場合には、力の入れ過ぎです。

入れ歯はまず取る

入れ歯が入っている方は、まずは、入れ歯をとって自分の歯を磨きましょう。

歯垢の溜まりやすい場所

歯と歯の間、奥歯などの噛み合わせをする面、歯と歯茎の間の三箇所は、特に歯垢が溜まりやすい場所です。

歯ブラシの角度を変えてブラッシングするだけでなく、歯と歯の間については、デンタルフロスや歯間ブラシも一緒に使いましょう。

歯全体の磨き方

歯に対して歯ブラシが垂直になるように、1本ずつ丁寧に磨いていきましょう。また、前歯の裏や歯並びの悪い場合には、歯ブラシを縦にするなど方向を変えて使うことが大切です。

歯ブラシを長時間やるのを嫌がってしまうときには、こちらの歯ブラシが便利です。

4. 入れ歯の磨き方

入れ歯は、自分の歯の代わりに働いてくれる重要な存在です。入れ歯洗浄液だけではなく、しっかりと歯ブラシをして、メンテナンスしましょう。

ステップ1.専用の歯ブラシを使う

入れ歯を磨くときには、まずはぬめりや汚れを水で洗い流します。そのあと、義歯用の歯ブラシを使うようにしましょう。

ステップ2. 入れ歯洗浄液を使う

ある程度汚れをとったら、入れ歯洗浄液にいれて残っている雑菌を減らしましょう。
洗浄が終わったら、しっかりすすぎ、再度歯ブラシでブラッシングしましょう。

5. うがいができない場合は、拭き取りを

寝たきりで、うがいや歯磨きが困難な場合には、清拭を行う必要があります。

指にガーゼをまいたり、スポンジブラシなどで、歯と歯茎、舌の上と裏、頬の裏などの粘膜部位を拭き取ります。

うがいができない場合には、歯間ブラシなどで細菌の塊である歯垢をかきだすと、それが誤嚥性肺炎につながることもあります。
歯ブラシの難しい場合には、無理にやらずに清拭にしましょう。

口腔ケアスポンジで、むせてしまう場合には

通常、口腔ケアスポンジには、水分を含ませてから清拭を行います。しかし、口腔ケアスポンジの水分もむせてしまうような場合には、拭き取りが1番になります。スポンジからでる水分には、雑菌も含まれていますので、誤嚥につながると困るからです。

こちらの製品は、コストパフォーマンスがとてもよく、キシリトール も配合されているので、とても便利です。



6. うがいの注意点

うがいは1〜2回がベスト

フッ素配合の歯磨き粉などを使う場合には、うがいをしすぎてしまうとフッ素が洗い流されて、効果がなくなってしまいます。

歯磨き後のうがいは、1回もしくは、2回で大丈夫です。

正しいうがい方法

うがいは、口の中に入れた水分を行き渡らせるように、ぶくぶくとほっぺを膨らませて行います。
ベッドの上などで行う場合には、吐き出し用の洗面器などを用意します。

7. 口の中がねばねば・乾燥しやすい

高齢になると、唾液の分泌量が減り、口の中が乾燥しやすくなります。そのため、ねばねばしたり口臭が強くなるなどの症状も現れます。

他にも、口腔内が乾燥すると、雑菌が繁殖して歯周病になりやすくなります。

適切に歯磨きをしていても、唾液の量が増えない場合には、うるおいミストの使用が便利です。

ヒアルロン酸が配合されていて、うるおい状態を長時間キープしてくれます。ミストならば、ジェルと違って口の中に塗り広げる必要がないので、とても便利です。

まとめ

歯ブラシをするときには、力が入りすぎてしまったり、歯垢が溜まる場所を把握していないと歯周病の原因にもなります。

また、入れ歯や清拭についても、正しい知識を持って行うことで、口腔内を清潔に保つことができます。
口腔ケアを正しく行い、全身的な健康につなげて行ってください。