仕事と介護の両立を応援するブログ

これから介護世代が増える中、育児や仕事と両立していく子供世代も増加します。いまそのような状況になっている方・これから可能性のある方に向けて、介護とはどのようなことなのかをわかりやすくお伝えできればと思います。

在宅介護・高齢者の方には、薬を簡単に管理できる一包化がおすすめ

【あれ?薬飲んだんだっけ?】
【薬を2回飲んじゃったかも…】
【なぜか薬がたくさん溜まってきてる…】

これらが一つでも当てはまる方やご家族がいらっしゃれば、お薬の管理がうまくできていない可能性があります。

飲む薬の種類が増えたり、朝・昼・夕食後など服用時点が増えると、正確に薬を飲むのも難しくなります。本来は、処方されている薬をしっかり飲むことで、病状の悪化を防げたり大きな病気の予防につながります。

今回は、現役薬剤師が、高齢の方・介護をされている方の薬の管理が劇的に楽になる薬の一包化についてご説明したいと思います。

1. 飲んだか飲んでないか覚えてない問題

薬局で働いていると、多くの患者様から、

「飲んだか飲んでないか覚えてないからもう一つ飲んでしまった」

「いつも忘れちゃうから、すごい余ってる」

などなど、たくさんの意見を聞きます。

基本的には、医師が必要と判断して出ている薬なので、飲み忘れていい薬はありません。中には、血栓ができないようにする薬など、飲み忘れないでほしいものも、たくさんあります。

飲み忘れや誤飲が出てきたり、薬の管理に不安がある方は、一包化という方法で、飲むタイミングごとに薬をパックすることができます。

2. 在宅介護・高齢者の方におすすめの一包化とは?

一包化とは、朝食後や昼食後などの飲むタイミングにあわせて、薬をパックしてしまう方法です。

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石川県薬剤師会

薬局では、一包化に、服用時点を入れるだでなく、日付や氏名を入れることもできます。デイサービスに行っている方や施設に入居されている方は、服用時点と氏名の記載をお願いする必要があります。
自宅で薬を管理されている方、訪問介護でヘルパーさんにお願いしている方などは、服用時点と日付の記載をお願いすると良いでしょう。

3. 一包化のメリットとは?

薬の管理が楽になる

一包化の最大のメリットは、薬の管理が楽になることです。一包化することで、【朝食後】に飲む薬がすでにまとまっているので、1つひとつシートから用意する必要がありません。

他にも、外出した場合には、持ち運びも楽になります。

飲み忘れを防止できる

日付を記載してもらうことで、飲み忘れの防止につながります。飲んだか飲まなかったか不安…なぜか薬が余ってしまうという方は、飲み忘れをよくしている可能性があります。

誤飲を防ぐことができる

今日はまだ飲んでないと思い込み、もう一度飲んでしまうという方も多くいらっしゃいます。多くの薬では、倍の量を飲んだからといって、急に体調が悪くなるということはありませんが、血栓予防の薬や糖尿病、抗がん剤など注意しなくてはいけない薬もあります。
誤飲をする可能性があるならば、早めに一包化を検討しましょう。

4. 一包化のデメリットとは?

一包化できるものとできないものがある

一包化は、薬をヒートとよばれる保護シートから出してパックをします。そのため、湿気や光に不安定な薬などは、パックをすることができません。

また、口腔内崩壊錠とよばれるラムネのように口の中で溶ける製剤については、湿気が含まれやすく形が崩れやすくなります。形が崩れても、薬効に問題ないものは、パックすることができます。

費用がかかる

薬局では、一包化加算と呼ばれる技術料がかかります。これは、薬の日数や種類によっても変わってきます。

時間がかかる

一包化は、1つひとつの薬をシートから出してパックするだけでなく、最後に薬の刻印とよばれる記号をみながらちゃんとパッキングされているのか目視確認していきます。

そのため、作るのに時間がかかってしまうのです。

5. 一包化してもらう手順は?

まずは、処方医に相談

一包化してもらうためには、まず主治医が処方箋に一包化する必要がある旨を記載する必要があります。

診察の時に、先生に【一包化したいこと】を伝えるようにしてください。

薬局でお願いする

薬局に処方箋を出す時に、【一包化にしたいことと、印字に日付と服用時点を入れたい】など要望を伝えましょう。

薬剤師に確認してもらう

一包化できる薬かどうか、薬剤師さんに判断してもらいましょう。

一包化した薬は、デメリットでも伝えたように、1つひとつパックするだけでなく、そのあとに監査と言って一粒ずつ入っている薬を、薬剤師が目視確認していきます。そのため、普通の調剤よりも時間がかかってしまいます。

まとめ

一包化は、複数の薬が処方されている方、飲んだか飲んでないか忘れてしまいがちの方には、とてもおすすめです。

薬の管理ができるようになれば、症状の悪化を防ぐことができますし、大きな安心感につながります。ご家族や自分の薬の残薬を確認してみて、余っている薬が多くある場合には、是非検討されてみてください。