経鼻経管栄養は、鼻から消化管へ管を通すことで、栄養やお薬などを送ることができる治療です。経鼻経管栄養をすることで、嚥下の難しい方でも、在宅治療を受けることができます。
今回は、在宅介護で行う経鼻経管栄養のポイント、メリット・デメリットについてお伝えしていきたいと思います。
1. 経鼻経管栄養とは?
経鼻経管栄養は、消化管の働きが問題ないにもかかわらず、食べ物の飲み込みがうまくいかない方や、誤嚥性肺炎の危険がある方が行う方法です。
鼻の穴からチューブを入れるため、導入に手術を必要とせず、いつでも中止することができます。胃ろうなどと比べると、短期間で口から栄養が取れると見込める方に行われます。
2. 経鼻経管栄養のメリットは?
いつでも中止することができる
口から物が食べれるようになれば、いつでも中止することができます。
導入に手術などが必要ない
導入に手術が必要ないので、導入が楽に始められるます。
在宅介護ができる
自宅でも介護ができるので、在宅介護が可能となります。
消化管の機能を維持できる
消化管へチューブで栄養を送るので、消化管の機能は維持できます。
3. 経鼻経管栄養のデメリットは?
管を通すため、違和感がある
鼻に管を通すときに、違和感が強く、嫌がってしまうことがある。
ヌルゼリーなどを使うことで、痛みや違和感を緩和することもできます。
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認知症の方では、自分で外してしまうことも
認知症の方は、必要性を理解できず、違和感からチューブを抜いてしまったりするので危険です。
管が詰まる、交換が必要
チューブの交換は、栄養を入れるときにのみチューブを挿入するINCなどの場合には毎週交換が必要です。持続的にチューブを挿入したままのCNCの場合には、 2週間ごとにチューブの交換が必要です。
見た目が悪い
鼻にチューブを通し、鼻にテープ留めなどを行っているため、見た目を気にする方も。また、テープ留めにより、かぶれる方もいらっしゃいます。
4. 経鼻経管栄養のポイントとは?
消化管症状がでやすい
経鼻経管栄養は、栄養の濃度や温度、流す速度が速すぎると、下痢や吐き気などの消化管症状を起こしやすくなります。
栄養挿入前にマークを確認
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栄養の挿入前には、チューブがずれていないかあらかじめつけてあるマークを確認する必要があります。
鼻や耳の皮膚かぶれ
チューブを固定するために、鼻や耳にテープ留めを行います。そのため、テープを持続的に貼られている部分の皮膚負担が大きなります。
特に、皮膚からテープを剥がすときには、皮膚の負担になるため、リムーバーを使うのがおすすめです。
チューブが詰まっていないか確認
チューブは、定期的に交換の必要があります。しかし、経鼻経管栄養のチューブは細いため、詰まりやすくなってしまいます。チューブが詰まってきたら、体温程度の白湯や5倍に薄めた酢を挿入して、クランプで止めて3時間程度待つと、詰まりが改善できます。
食用の酢で行うのが原則です。酢酸で行った場合に、死亡例も出ているので注意してください!
まとめ
嚥下困難や誤嚥性肺炎の危険があると、一時的でも経鼻経管栄養に切り替える方もいらっしゃいます。栄養状態の維持や、消化管の機能維持もしながら、在宅も可能になります。
経鼻経管栄養について、少しでも参考になればと思います。