薬を飲むようになって、今飲んだかどうか忘れてしまった・間違えて2回飲んだ気がする…など、薬の飲み間違えについての相談は、本当によくあります。
薬によっては、 2倍飲んでしまうと危険な副作用につながることも珍しくありません。他にも、飲み忘れてしまうと、効果が一気に落ちてしまうものもあります。
今回は、薬の飲み間違えの原因と対処法について、現役薬局薬剤師が説明したいと思います。
1. 薬の飲み間違えとは?
薬の飲み間違えは、自分の飲むべき薬でないものを飲んでしまったり、飲む時間や回数・量を誤って飲んでしまうことで起こります。
実際に、私の祖母は、薬をお菓子の缶にランダムにまとめており、ポメラニアン(ペットの犬)の心臓の薬を自分の薬だと思い込み、ずっと飲んでいました…
最近の薬は、食事に影響するので、空腹時に飲むものや、1ヶ月に1回だけなど、特殊な飲み方をする薬も増えてきています。まずは、なぜその薬を飲んでいるのかという認識と、適切な薬の管理が大切です。
2. 薬の飲み間違えのリスクとは?
薬の飲み間違えのリスクとしては、過剰に飲み過ぎてしまった時の副作用のリスクと、効果が十分に出ない場合の症状の悪化となります。
特に、糖尿病の薬は、食事の前に飲んでおくことで、食後の血糖値の上昇を抑えることができるものもあります。
また、心筋梗塞や脳梗塞予防のための血栓を作りにくくするお薬は、飲み忘れると効果の消失がでやすく、血栓ができてしまう恐れがあります。
薬の飲み間違えにより、さまざまなリスクが出てしまう可能性があるのです。
3. 薬の飲み間違えの原因とは?
薬の飲み間違えの主な原因は、薬の必要性や効果を十分に理解していないことです。他にはどんな原因があるのでしょうか。
薬の必要性を理解してない
薬局の薬剤師も、患者さんに薬の必要性を理解してもらうことが最も大切と考えています。
なぜ自分がこの薬を飲まなければいけないのかが、はっきりしている方は、飲み忘れや飲み違いも少ない傾向にあります。
よく薬局にいらっしゃる方で、【この薬は絶対飲まなきゃいけないんだ】と教えてくれる方もいます。たくさん出ている中で、高血圧の薬などを言われたりもします。そのような方は、不思議と高血圧の薬は、飲み残しがないのです。
処方されている薬に、無駄な薬はないのですが、この方のように、〇〇は飲まないといけないという認識は、薬の飲み間違え防止につながっています。
そもそも薬を飲みたくない
認知症の方に多い、服薬拒否の事例です。
自分の体は、元気だから薬を飲む必要がない・薬は体に良くないものだなど、思い込みから薬を拒否してしまいます。
認知症の方の服薬拒否対応については、認知症の方にうまく薬を飲んでもらうにはの記事を参考にしてください。
家に余っている薬がたくさんある
家に飲み残した薬がたくさんあると、自分がどれだけ飲み忘れているのかなど把握しにくくなってしまいます。
また、余計な薬を飲んでしまう可能性もあるので、薬の整理や管理はとても大切です。
飲み残しの薬が多い方は、飲み残して余った薬の対処法とは? の記事で、整理の参考にしてみてください。
飲んだことを忘れてしまう
飲んだことを記録しておかないことで、飲んだこと自体を忘れてしまう方もいらっしゃいます。ほかにも、飲んでいないのに、飲んだような気がする…などもあります。
薬を飲んだことを忘れてしまったり、飲んでいないのに飲んだような気がするなどの経験がある方は、薬の飲み忘れや管理ができる薬剤師おすすめ便利グッズ の記事を参考にしてみてください。
4. 飲み間違えてしまったときは?
薬を重複して飲んでしまった時
薬を間違えて2回飲んだかもしれない…という問い合わせは、よくあります。不安になったら、薬剤師に電話で相談してみましょう。
まずはご自身で、ふらつきや気持ち悪さなど、副作用と見られる症状が出ていないかを確認してください。もし、副作用のような症状がでていたら、早めに病院へ行きましょう。
薬剤師に問い合わせした場合は、2回飲んでしまったかもしれない薬について、薬のデータなどで、2倍飲むと危険な薬かどうか確認してくれます。他にも、どんな副作用が出る可能性が高いかも、教えてくれます。
薬を飲んだかどうかわからないとき
薬を飲んだかもしれないし、飲み忘れてるかもしれないというときは、家の薬が整理されているならまずは、残薬を確認してみましょう。
しっかり整理されていれば、きっと飲んだかどうかもわかるはずです。
残薬がありわからないときは、薬剤師や医師に相談してみましょう。多くの場合では、飲んでいる可能性もあるので、1回分はスキップになることが多いですが、薬の種類や飲み方によっても対応が変わります。
まとめ
薬の飲み間違えは、2倍飲んでしまうと副作用にも繋がりますし、飲み忘れが続くと効果もなくなってしまいます。
薬の管理や整理をしっかりして、薬の必要性をしっかり理解することが大切です。