セルフメディケーションが普及し、医師の診察なしに一部の医療用医薬品が、買えるようになりました。さらに、 2014年からは、薬のネット販売も認可され、薬局に行かなくても薬を買うことができます。
一方で、ネット販売で薬を購入するときには、販売業者が信頼性のおける会社であるか識別する自己責任がでてきました。
今回は、ネットで安全に薬を買うための注意点と方法について、薬剤師が説明したいと思います。
- 1. ネットで買える薬の種類
- 2. 一般販売医薬品の種類
- 3. ネットで医薬品を買うメリット
- 4. ネットで医薬品を買うデメリット
- 5. 悪質販売サイトの見分け方
- 6. 副作用が起こってしまったときには?
- まとめ
1. ネットで買える薬の種類
ネットで買える薬とは
ネットで買える薬は、処方箋がないと使えない医療用医薬品と、発売原則3年以内のスイッチOTC以外の薬になります。
スイッチOTCとは
スイッチOTCとは、処方箋が必要な医療用医薬品の中でも、長年安全性が確認されたものに対して、処方箋なしで市販に売ることのできる薬です。例えば、アレグラやロキソニンなどが有名です。
スイッチOTCは、原則発売後3年間は、薬局で薬剤師による対面販売が義務付けられています。しかし、 3年をすぎると、ネットでも販売することが許可されています。
2. 一般販売医薬品の種類
一般販売されている医薬品には、1類・2類・3類などの記載があるのはご存知でしょうか。これは、副作用のリスクなどに合わせて、段階的に決められているものになります。
自分が購入したい薬が、どのような分類に入り、どんな注意点があるかを確認して見てください。
第1類医薬品
効果も高いですが、副作用が起こると、日常生活に支障をきたす程度の健康被害が出てしまう可能性があるため、特に、注意が必要な薬です。
例えば、ガスター10やロキソニンなど、処方箋でも利用されていた医療用医薬品が多く含まれます。
第2類医薬品
多くの方が利用する風邪薬や、解熱鎮痛剤などが第2類医薬品に含まれます。
リスクとしては、副作用などにより、日常生活に支障をきたすほどの健康被害が、出る可能性があるといわれています。
第3類医薬品
副作用のリスクが比較的少なく、安心して使いやすい薬になります。例えば、ビオフェルミンなどの整腸剤や、ビタミン剤などが分類されます。
3. ネットで医薬品を買うメリット
ネットで医薬品を買うメリットは、忙しくてもいつでも購入できることです。スムーズに購入することで、早めの治療をすることができます。
また、ほかの店舗や商品と比べることができるので、期限がより長いものや必要数だけ入ってるものなどを選ぶこともできます。
他にも、育毛剤やデリケートゾーンの薬など、プライベートな薬に関して、ほかの人の目を気にせず購入することもできます。
ネットで医薬品を買うことは、時間がない方や自分でゆっくり確認して購入したい方には、とても便利です。
4. ネットで医薬品を買うデメリット
ネットで医薬品を買うデメリットは、商品が明確に決まっていない時などです。たくさんの種類が販売されているので、何を買えばいいか自己判断が難しくなります。
また、販売業者の中には怪しい業者もいるため、安全なお店を見分ける必要があるところもデメリットとなります。
5. 悪質販売サイトの見分け方
ネットで薬を購入するのは、とても便利ですが、そのサイトが安全かどうか見極めにくいというデメリットもあります。
悪質販売サイトかの見分け方には、いくつかの注意点がありますので、購入する前にチェックするようにしてください。
・店舗の正式名称や住所が載せてあること
・店舗の開設者や自治体など、許可証の内容が載せてあること
・相談窓口の連絡先があること
・実際の店舗の写真があること
・勤務薬剤師などの氏名があること
6. 副作用が起こってしまったときには?
副作用が疑われるとき
副作用が疑われるときには、まず薬の中に入っていた添付文書と呼ばれる説明書で、該当する副作用の報告があるか確認しましょう。
また、判断がつかない時には、購入したネット販売業者の問い合わせに連絡をして相談したり、必要なら医師の診察を早めに受けましょう。
重い副作用になってしまったら
入院を伴うような重い副作用がでてしまったときには、医薬品の副作用による救済制度があります。
詳しくは、医薬品副作用被害救済制度について を確認してみてください。
まとめ
医薬品をネットで購入できるようになり、とても便利になりました。一方で、安全な薬や業者を自分で選ぶことが必要になってしまったともいえます。
初めて使う薬などは、薬局で対面購入するのもおすすめです。ネットで医薬品を購入するときには、悪徳業者でないか、薬は自分に合ってあるのかを確認してから購入しましょう。