ドラマ「にじいろカルテ」で安達祐実さんが演じる雪乃が、突如自分の年齢を答えられないなどの症状からも知られたのが「まだら認知症」です。
まだら認知症は、判断力・理解力はしっかりしているのにも関わらず、記憶や思い出すことができないなど、一部に認知症のような症状が現れるのが特徴です。
今回は、まだら認知症の症状・原因・治療を薬剤師がわかりやすく説明しますので、ぜひ参考にされてみてください。
1. まだら認知症とは?
まだら認知症とは、年齢や曜日などの記憶力が低下しているにも関わらず、読書や受け答えなどの理解力や判断力は正常に近い状態を保つ症状になります。
周囲の人から誤解を受けやすく、理解力はあるのにボケてるフリをしている・日によって記憶力が良い日とガクンと記憶力が下がる日があるなど、まだらに症状がでることが特徴です。
また、認知症の症状以外にも、脳のダメージにより頭痛やめまい、転びやすくなったり、やる気が出ない抑うつ状態になることもあります。
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2. まだら認知症の原因は?
まだら認知症の原因は、脳梗塞
まだら認知症の原因は、小さな血管に脳梗塞が起きることで発生しやすいと言われています。
小さな脳梗塞ができることで、脳梗塞のできた部位の脳の働きが悪くなり、生活の一部分だけに認知症のような症状が発生します。
しかし、脳のダメージを受けていない部位は、正常に働くため、一見健康な状態にみられてしまいます。
まだら認知症とラクナ梗塞の関係
よく脳のCTスキャンをとると、ラクナ梗塞とよばれる小さな脳梗塞が発見される方も多いです。ラクナ梗塞自体は、とても小さな脳血管障害なので、日常生活に何も影響しないことがほとんどです。
しかし、ラクナ梗塞を放置してしまうと、大きな脳梗塞につながる可能性もあります。なぜなら、小さな脳梗塞ができる要素があるということは、大きな血管にも起こりうる可能性があると言えるからです。
また、まだら認知症の多くは、ラクナ梗塞が原因となります。小さな梗塞でも、部位によっては脳の機能を低下させてしまうので、まだら認知症に繋がると言われています。
ラクナ梗塞の原因とは?
ラクナ梗塞の原因として注目されているのは、高血圧になります。血圧が高い状態が続くと、動脈硬化と呼ばれる状態になります。
わかりやすく説明すると、血管はゴムのホースのような状態が健康だとします。高血圧が続くことにより、ダメージを受け、ゴムの弾力がなくなり硬くなってきます。これが動脈硬化です。他にも、血管の中にコレステロールが溜まることで、血管が狭くなったりもします。
さらに湘南慶育病院の鈴木医師によると、2型糖尿病の人の3~6割、慢性腎臓病の人の4割に、ラクナ梗塞が起こっていたとの報告もあります。高血圧や高血糖などは、血管へのダメージが大きいので、低塩分や有酸素運動を取り入れて予防することが大切です。
3. まだら認知症は早期発見が大事
まだら認知症は、完全に治すことは難しいですが、早期発見により、改善や予防ができます。特に、判断力などはしっかりしていることが多いため、本人がおかしいという自覚があることも多いです。
おかしいなと感じたら、脳のCTやMRIを撮ることで、隠れ脳梗塞の有無を判断してもらうことができます。
まだら認知症は、ラクナ梗塞などが増えることでさらに症状が悪化すると言われています。そのため、脳梗塞が新たにできないように薬物治療や生活習慣の改善をすることで、悪化を防ぐことができます。
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4. まだら認知症とリハビリテーションの効果
まだら認知症は、新たな脳梗塞が起こらないように薬物治療や生活習慣の改善をすることで、悪化を防げるとお伝えしました。
他にも、リハビリテーションを受けることで、ある程度までは運動や言語機能の維持・回復を促すことができます。
しかし、まだら認知症は、本人の判断力が低下していない場合には、症状による心理的にも大きなダメージを受けていることも多くみられます。本人はしっかりしているつもりなのに、できなくなったことに対して、大きなストレスを抱えているので、リハビリテーションも無理強いせず取り入れることが大切です。
まとめ
まだら認知症は、脳の一部の障害のために起こることがわかりました。そのため、周りからはサボっている・ボケたフリをしているなど伝わりにくい部分もあり、本人の心理的ストレスがとても大きくなります。
一方で、まだら認知症は、早期発見によって新たな症状の予防も期待できます。自分自身・ご家族から見て、おかしいと感じたら、早めの検査をお勧めします。