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これから介護世代が増える中、育児や仕事と両立していく子供世代も増加します。いまそのような状況になっている方・これから可能性のある方に向けて、介護とはどのようなことなのかをわかりやすくお伝えできればと思います。

レビー小体型認知症とは?症状・余命について解説

レビー小体型認知症とは、 4大認知症のうちの1つになります。高齢者に多く発症しますが、比較的若い方でも発症する方がいます。

レビー小体型認知症は、アルツハイマー認知症のような物忘れ症状だけでなく、幻視や歩行障害など様々な症状が現れます。

今回は、レビー小体型認知症とはどんな症状なのか。症状の進行過程や余命・治療について、わかりやすく薬剤師がお伝えしたいと思います。

1. レビー小体型認知症とは?

レビー小体型認知症とは、65歳以上に多く発症しますが、比較的若い65歳以下でも発症することがあります。女性よりも男性に多いのが特徴で、4大認知症のうちの1つです。

2. レビー小体型認知症の原因とは?

レビー小体型認知症の人には、レビー小体とよばれる物質が脳の中に多くみられます。レビー小体がなぜできるのかは、まだわかっていません。

大脳皮質に、レビー小体が増えてしまうと、物忘れや認知症の症状がでやすくなります。また、脳幹部にレビー小体が増えると、ふるえやパーキンソン病のような症状が併発します。

3. レビー小体型認知症の症状とは?

レビー小体型認知症の症状は、認知症同様に物忘れや、昼夜・曜日などの時間感覚を忘れてしまう・出かけても自宅へ帰れず迷ってしまうなどの見当識障害があります。

他にも、レビー小体型認知症に多い症状として、幻視やパーキンソン症状が併発することがあります。また、レム睡眠行動障害と呼ばれる、睡眠が浅いときに動いてしまったり大声で寝言を言うなどの症状もでたりします。

4. レビー小体型認知症の進行・余命は?

レビー小体型認知症の進行・余命は、個人差があり、はっきりと分類できるものではありません。代表的なレビー小体型認知症の進行についてお伝えしていきます。

レビー小体型認知症の初期

レビー小体型認知症は、アルツハイマー認知症のようにはっきりと症状が出ない人も多く、初期では気付かれにくいこともあります。
また、障害を受けている脳の部位によっても、出てくる症状は異なります。

レビー小体型認知症の初期には、脳の障害部位によって、幻視とよばれる居るはずのないものが見えてしまう・つまづきやすくなったり手の振えがみられるなどのパーキンソン症状がでることもあります。

また、前述したレム睡眠行動障害や自律神経のバランスが崩れてしまい、抑うつ・だるさなどの様々な症状がではじめます。寝ている時に暴れたり、大声をあげるなどの異常行動がおきることもあります。

レビー小体型認知症の中期

レビー小体型認知症の中期では、物忘れや近所から自宅へ帰ってこれないなどの見当識障害も併発します。

レビー小体型認知症は、症状に波があるので、一時的に良くなったように感じることもありますが、良好・悪化を繰り返しながら、徐々に悪化していきます。

また、治療に抗精神病薬を使うこともありますが、レビー小体型認知症の方は、抗精神病薬に過敏になる方もいるので、副作用が出てしまうこともあります。

レビー小体型認知症の後期

レビー小体型認知症の後期には、幻視やパーキンソン症状が多く現れるようになり、自立歩行が難しくなります。睡眠障害もあるため、夜間の介護も負担が増えます。
噛む力や飲み込む力が弱くなり、誤嚥性肺炎にも注意が必要になります。

レビー小体型認知症は、アルツハイマー認知症の方に起きやすい徘徊症状は、少ないと言われています。

レビー小体型認知症の余命

レビー小体型認知症の余命は、進行速度やレビー小体ができる部位にもよりますが、一般的にアルツハイマーよりやや短く約7年と言われています。

レビー小体型認知症が死因に直結するというよりは、誤嚥性肺炎を繰り返したり、全身が衰弱しやすくなり、余命を迎えることが多いです。

5. レビー小体型認知症は治療できる?

レビー小体型認知症は、完治させる薬ではなく、進行速度を緩める薬しかありません。そのため、いかに早い段階で服薬できるかがポイントとなります。

使う薬は、アルツハイマー認知症と同じで、
「ドネペジル」、「リバスチグミン」、「ガランタミン」などの抗認知症を使います。抗認知症薬は、人によって興奮や幻覚などの副作用が出るため、少量から開始します。

レビー小体型認知症は、薬に過敏になりやすいものの、パーキンソン症状や抑うつ傾向になやすいので、抗パーキンソン薬や抗精神病薬を使うこともあります。特に、パーキンソン症状については、転倒や骨折で寝たきりにつながると予後が悪いため、薬で症状を抑える必要があります。

まとめ

レビー小体型認知症は、初期では気づきにくく、様々な症状がでるため、家族が介護をするのに困ること多いかもしれません。

治療については、早めの抗認知症薬の介入が必要なので、おかしいなと感じたら受診をして進行予防に繋げましょう。