高額介護サービス費制度とは、介護保険サービスを利用した場合に支払う月々の金額が、上限を超えると返金されるシステムです。
今回は、高額介護サービス費制度の概要や利用条件、適応となる基準額についてもわかりやすく説明していきます。
負担割合が2割、3割など高い方や介護保険サービスを複数組み合わせて利用している方、所得が低い世帯の方などは、対象になる可能性が高いので、ぜひ参考にされてみてください。
- 1. 高額介護サービス費制度とは
- 2. 高額介護サービス費制度利用条件とは
- 3. 高額介護サービス費制度の対象料金とは
- 4. 住宅改修は非対象なので注意
- 5. 高額介護サービス費制度の期限は2年間
- 6. 月々いくら支払えば対象になるのか?
- まとめ
1. 高額介護サービス費制度とは
高額介護サービス費制度とは、介護保険を利用した月々の支払いが高額となった場合に、介護保険から超過分の金額が払い戻しされる制度です。
介護保険の負担割合が2割以上の方や、要介護度が上がり、介護保険サービスを頻繁に利用するようになった場合などには、経済的に非常に助かります。
2. 高額介護サービス費制度利用条件とは
高額介護サービスの利用条件は、要支援・要介護認定を受けていて、介護保険サービスを利用している方が対象となります。
また、返金が発生する場合には、基本的に自治体から通知が送られてきますので、そちらに沿って申請する必要があります。
3. 高額介護サービス費制度の対象料金とは
高額介護サービス費制度が対象となる支払いは、介護保険サービスを利用した場合に発生した自己負担分になります。
具体的には、在宅介護・施設介護・地域密着サービスの3種類になります。
在宅介護の対象サービス
訪問介護やデイサービス・ショートステイなど、介護保険を利用したサービス。
公共施設以外に入所した場合に、外部事業者によりうけた介護サービスも含まれます。たとえば、サービス付き高齢者向け住宅などに住んでいて、他の業者から介護サービスを受けている場合などです。
施設介護の対象サービス
特別養護老人ホームや老健などの公共施設に入居した場合に利用する施設介護サービス。
地域密着型の対象サービス
認知症対応型のグループホームなど、住み慣れた地域限定で行われているサービスです。基本的に、利用する施設の市町村区域に住民票がある方のみ利用できるサービスとなっています。
4. 住宅改修は非対象なので注意
介護保険を利用した住宅改修は、介護保険証に登録のある住所に対して1回のみ上限20万円まで補助を受けることができます。
例えば、1割負担の方が、上限まで利用した場合は、自己負担の支払いが2万円となります。
住宅改修で発生した支払いについては、高額介護サービス費制度の対象とはならないので注意が必要です。
その代わり、住宅改修で発生した支払いは、月々の介護保険利用限度額の対象にもならないため、日々の介護サービスの利用も安心です。
5. 高額介護サービス費制度の期限は2年間
高額介護サービス費制度の申請
高額介護サービス費制度の対象となり、返金が発生する場合には、自宅に自治体から通知が届きます。通知に従って、役所で申請することにより、返金額を受け取ることができます。
申請は、1度だけで、2回目以降の支払いは、指定した口座に自動的に振り込まれます。もし、口座や銀行を変更したい場合には、再申請が必要となります。
高額介護サービス費制度の期限
高額介護サービス費制度の支払い期限は、支給対象となったサービスが提供された月の翌月1日から2年間と決められています。
もらい忘れがないように、早めに申請する必要があります。
6. 月々いくら支払えば対象になるのか?
高額介護サービス費制度の月々の支払い上限額は、世帯ごとの所得により基準が異なります。
大きく分けると、住民税を支払っている方がいる世帯、住民税非課税の世帯、生活保護の世帯により、基準が異なります。それぞれ具体的な数値で説明します。
住民税を支払っている世帯
世帯の内で、住民税が課税対象の方が1人でもいる場合には、月額44,400円が自己負担の上限額です。
住民税が非課税な世帯
世帯のうち全ての方が、住民税非課税の場合は、月額24,600円が上限となります。
また、前年所得と公的年金収入を合わせた金額が年間80万円以下の方や、老齢福祉年金受給の方については、負担上限が個人として、月額15,000円と定められています。
生活保護を受けている世帯
生活保護を受けている場合は、月額15,000円が負担上限になります。
まとめ
介護保険サービスを組み合わせて行うようになると、負担割合によっては、支払い金額が高額になってしまいます。
高額介護サービス費制度は、介護費用の負担を下げるためには必要不可欠となります。該当している場合は、期限が切れる前の早めの申請がおすすめです。