介護医療院とは、常時医療ケアが必要な方でも入居できる介護施設になります。
特養や有料老人ホームに入居が難しい方や、退院の予定はあるけれども、在宅ケアが難しい方に選ばれています。
今回は、医療ケアに特化した介護医療院について、施設の特徴や受けられるサービス内容について、わかりやすくご紹介します。
施設にご興味があれば、ぜひ参考にされてみてください。
1. 介護医療院とは
介護医療院とは、2018年度の介護保険制度改正にともない、新しくつくられた医療ケアに特化した介護保険施設です。
介護医療院では、24時間医療ケア・重度の介護ケアの両方を必要とする方でも入居することができます。医療機能と介護サービス機能を併せ持っているため、他の施設では入居継続が難しかった方でも、長期的に入居することができます。
介護医療院では、看取りやターミナルケアまでの医療ケアも行なっており、介護サービスも充実しているのが特徴です。
2. 入居条件とは
原則 65歳以上で、要介護1以上の認定を受けている方が入居対象です。また、40歳以上でも、特定疾患により介護が必要となった場合には、入居可能です。
介護医療院は、医療ケアが必要な人のための施設ですので、「診療情報提供書」や「健康診断書」を提出することがあります。
3. 介護医療院の探し方
介護医療院は、新設の施設ですので、自宅近くにない場合もあります。
施設の探し方としては、入院中の場合には、病院のソーシャルワーカーに相談してみましょう。自宅療養の場合は、厚生労働省が提供している【介護サービス情報公表システム】により、探すことができます。
4. 介護医療院で受けられるサービス
介護医療院では、医療サービスと、介護サービスを受けることができます。
継続的な医療ケアが必要なため、特別養護老人ホームや有料老人ホームには入居することが難しい方でも、入居することができます。
医療サービス
✳︎痰の吸引
✳︎胃ろうなどの経管栄養や酸素吸入
✳︎点滴・注射管理
✳︎褥瘡
✳︎看取り・ターミナルケア
介護サービス
✳︎食費・排泄・入浴の介助
✳︎レクリエーションの実施
✳︎リハビリ・機能訓練
✳︎立ち上がりなど日常ケア
5. 施設設備・人員配置とは
施設設備
介護医療院は、4人以内の大部屋となっています。部屋の大きさは、1人あたり8㎡以上と決められており、大部屋の中をパーテーションで区切られている形になります。病院のような作りのため、個室と比べると、プライベートな空間を維持するのは難しいかもしれません。
他にも、機能訓練室や食堂・リビングルームのようなコミュニティエリア、寝たきりの方でも入れる浴室や、車椅子でも入れるトイレなどがあります。
人員配置
介護医療院の人員配置は、病院に近い配置となっています。
具体的には、医師・薬剤師・栄養士の配置と、入居者6人に対して1人の看護師が原則配置となっています。
他にも、ケアプランを作成するケアマネージャーや、リハビリを行う理学療法士、作業療法士、言語聴覚士など資格を持つ職員がいます。
また、介護ケアを行う介護士は、入居者5人〜6人に対して1人配置されています。
6. 介護医療院の全国施設数
介護医療院は、令和元年12月では、全国301施設でしたが、令和2年9月末には、539施設にまで増えています。
約2年で 200施設以上増加しており、令和2年9月には、病床数も33,820床まで増えています。
令和2年9月末時点での、都道府県別施設数を確認すると、福岡県が最も多く、30施設以上あり、東京は16施設となっています。
まとめ
介護と医療ケアが必要な場合は、入居できる施設が限られてしまいます。しかし、在宅介護は難しく、施設への入居の検討が必要です。
介護医療院は、施設数もどんどん増えており、ニーズも高いです。今後も施設数がどんどん増えて、住み慣れた地域でも入居できるような介護環境になることを願います。