夜間のおむつ替えや、排泄介助などは、介護する家族の睡眠時間を妨害してしまいます。そのため、夜間介護が始まると、介護する側の精神的・肉体的な負担が、大きくなり、在宅介護の限界を感じやすくなります。
今回は、夕方18時〜翌朝8時までの時間帯に利用することのできる夜間対応型訪問介護をご紹介したいと思います。
夜間対応型訪問介護とは、どんなサービスを受けることができるのか、また、利用条件についても詳しくお伝えしたいと思います。
- 1. 夜間対応型訪問介護とは
- 2. 夜間対応型訪問介護で受けられるサービス
- 3. 夜間対応型訪問介護の利用条件とは
- 4. 夜間対応型介護の料金は
- 5. ケアプランの例とは
- 6. 夜間対応型訪問介護の注意点
- まとめ
1. 夜間対応型訪問介護とは
介護度が上がるにつれて、夜間でも、床ずれ予防のために体位変換が必要な方、おむつの交換が必要な方が増えてきます。
夜間対応型訪問介護は、重度の介護が必要な方でも、安心して在宅介護を続けられるように2006年にできたサービスとなります。
夜間対応型訪問介護の対象時間は、夕方18時から朝8時までの時間帯となっており、夜間介護の家族の負担を下げることを目的としています。
2. 夜間対応型訪問介護で受けられるサービス
夜間対応型訪問介護で受けることのできるサービスは、大きく分けて以下の3種類となります。
定期巡回サービス
定期巡回サービスとは、ケアマネージャーによるケアプランに組み込まれたサービスになります。
決められた時間に約30分から1時間を目安に訪問し、オムツ交換・体位変換や体の清拭などを行います。ほかにも、投薬や水分補給なども行なってくれます。
臨時対応サービス
緊急時用に無料レンタルできる「ケアコール端末機」を利用して、臨時で対応してもらうサービスです。
ベッドから転倒して起き上がれないなど夜間の急なトラブルに対して、夜間でもオペレーターと会話をすることができます。必要時、ヘルパーが訪問することもできますが、到着までに時間を要することもあります。訪問した場合には、約30分から1時間を目安とした介護ケアを受けることができます。
オペレーションセンターサービス
オペレーションセンターサービスでは、ケアコール端末機などを通して、利用者から連絡があった場合に対応してくれるサービスです。
連絡を受けたオペレーターが、必要に応じてヘルパーの派遣や、主治医への連絡、救急車の手配などを行ってくれます。
3. 夜間対応型訪問介護の利用条件とは
夜間対応型訪問介護の利用条件は、在宅介護をしていて、要介護認定を受けている人のみとなります。施設に入居している場合や、要支援・自立の方は、利用することができません。
また、多くの場合で、地域密着型サービスとなっているため、対象地域に住民票があることも条件となります。
4. 夜間対応型介護の料金は
夜間対応型訪問介護の料金は、オペレーションセンターを設置している事業所としていない場合で、基本料金が異なります。
オペレーションセンターがある場合
月額基本料金1,009円に加えて、利用頻度により、加算があります。
• 定期巡回では、1回378円です。
• 随時訪問については、ヘルパー1人が、1回576円かかり、ヘルパー2人だと、1回775円かかります。
・24時間通報対応加算は、1回610円かかります。
✳︎1割負担の目安であり、地域差があります
オペレーションセンターがない場合
オペレーションセンターがない場合は、訪問ヘルパーが緊急時に連絡を直接取れる方式になってきます。そのような体制の事業所を利用する場合には、負担割合が1割負担で、1か月定額料金、月額2,751円となります。
✳︎目安であり、地域差があります
5. ケアプランの例とは
要介護4の場合
週6日の午前訪問介護と、週1回のデイサービスに加えて、週7日すべての夜間対応型訪問介護プラン
✳︎夜間対応型訪問介護を就寝時間に合わせることで、就寝準備や身の回りのケアを行ってもらうこともできます。
要介護5の場合
毎日午前午後と夜間の定期訪問(つまり訪問介護は、1日3回)と、週1回の通所リハビリプラン
介護度があがるにつれて、利用限度額も引き上がるため、日中と夜間それぞれに訪問介護をお願いすることができます。
6. 夜間対応型訪問介護の注意点
夜間対応型訪問介護は、とても便利なサービスですが、いくつか注意点もあります。
医療サービスはできない
基本的には、ヘルパーが対応するサービスのため、医療対応をすることは難しくなります。必要時オペレーションセンターサービスにより、主治医への連絡・救急車などの対応は行なってくれます。
呼び出し回数に応じて追加料金がかかる
夜間対応型訪問介護の臨時対応については、時間内であれば何回でも利用することができますが、呼び出し回数に応じて追加料金が発生します。
サービス時間が限られている
サービス時間は、 18時〜翌朝8時と限定されています。
まとめ
在宅介護は、介護をする頻度があがるにつれて、家族の負担が大きくなりがちです。特に、夜間介護については、介護する側も睡眠不足に陥りやすく精神的にも負担になることがわかっています。
介護保険サービスをうまく使うことで、在宅介護を少しでも引き伸ばすこともできます。夜間介護が辛いと思うときは、夜間対応型訪問介護の利用を検討してみてください。