先生から漢方薬を出されたけれども、他の薬と何が違うのか?漢方薬と西洋薬は一緒に飲んでもいいのか?など、多くの方が疑問に持たれています。
今回は、薬剤師が、漢方薬と西洋薬の違いや、漢方薬のメリット・デメリット、正しい使い方について説明していきたいと思います。
漢方薬のことをすこしでも知って、良い治療に繋げられればと思います。
1. 漢方薬とは?
漢方薬とは、生薬とよばれる植物や鉱物を2種類以上組み合わせて調合した薬になります。身近なものでいえば、シナモンや生姜なども漢方薬の成分として使われています。
漢方薬は、1つの種類でも泌尿器や血圧、更年期などさまざまな効果を期待することができます。その人それぞれに合わせて調合されることが、最適な漢方薬を選ぶポイントとなります。
2. 漢方薬と西洋薬の違いとは?
成分の違い
漢方薬と西洋薬は、効果を示す成分に違いがあります。漢方薬は、生薬と呼ばれる植物や鉱物を調合して作られているのに対し、西洋薬は、効果が出る成分を化学的に合成して作ったものになります。
治す力の考え方の違い
漢方医学は、その人それぞれの体や気持ち、内臓の状態などに合わせて処方が変わります。症状の一部を完全に治していくと言うよりは、自身のもつ力を強めることで、体質改善や自己の力によって治していくという考え方になります。
西洋医学は、痛みがあるならば痛みだけに効く痛み止めを処方するなど、症状があるところだけにスポットを当てて治療していくやり方になります。
現在では、漢方医学と西洋医学を組み合わせながら、スポットと全身の治療を掛け合わせて行われています。
3. 漢方薬のメリットとは?
漢方薬のメリットは、病名がつかないような症状でも使うことができるので、治療の導入が早いと言えます。
他にも、更年期などの体全体的な症状や、免疫を強めるなどの自分の力を強める効果は、西洋薬よりも期待できます。
4. 漢方薬のデメリットとは?
漢方薬のデメリットは、即効性のあるものが少ないため、効果をすぐに感じることができない点です。しかし、逆に言うと少しずつ体質改善されていくので、長期で使うこともできます。
また、さまざまな成分が配合されているので、何がしっかり効いているのかわかりにくい点もデメリットです。同じ症状でも、その時の体調などによって処方されるものが変わるため、余っている薬が使えない時もあります。
5. 漢方薬の効果的な飲み方とは?
漢方薬の効果的な飲み方は、お腹に何も入っていない食前や食間に飲むことがベストです。他の薬や食べ物に吸収が邪魔されないので、より効果が出やすいと言われています。
また、〇〇湯という名前の漢方は、ぬるま湯などに溶かして飲むと効果が出やすいと言われています。漢方の香りを嗅ぎながら、薬を飲むことで、その漢方本来の飲み方に近くなるからです。
しかしながら、お湯で飲むのは面倒だったり、難しいという方は、コップ半分より多めのお水で飲むことで、十分効果が発揮できるので安心してください。
まとめ
漢方薬は、体質改善や体の調子を整えるためにもとても有効といえます。一方で、その人に合っている薬であること、体調に合っていることが大前提となります。
漢方が処方されたときには、メリット・デメリットをよく理解した上で、根気よく飲むことが大切といえます。