介護度が高くなり、在宅介護が難しくなってくると、施設への入居を検討される方が多くなります。
特別養護老人ホームは、介護士が常駐しているため、重い介護が必要な方でも入居することができます。
今回は、特別養護老人ホームの特徴と入居条件・受けられるサービスについて説明していきたいと思います。
また、特別養護老人ホームは待機期間が長いというイメージが強いかと思います。特別養護老人ホームの待機やどんな方が優先されるのかも合わせて説明しますので、ぜひ参考にされてみてください。
まずは資料請求してみましょう
- 1. 特別養護老人ホームとは
- 2. 特養で受けられるサービス内容
- 3. 特養の入居条件とは
- 4. 特養の費用は
- 5. 特養のメリット
- 6. 特養のデメリット
- 7. 入居の待ち期間、優先順序はどう決まるか
- 8. 待機期間を短くするためにどうすれば良いか
- まとめ
1. 特別養護老人ホームとは
特別養護老人ホームとは、介護保険施設という公的施設に分類されます。そのため、入居している間の費用は、介護保険が適応となります。
介護士が常駐しており、 24時間介護を受けることができるため、重度の介護ケアが必要な方でも入居することができます。
特別養護老人ホームには、【従来型】と【ユニット型】という2種類の施設があります。
従来型
従来型は、基本的に4人ずつの大部屋になります。他にも値段は高いですが、個室もあります。大部屋の前には、廊下があり、イメージするなら、病院のような作りになっています。
リビングルームなどの共用スペースは、大きめで、利用者みんなでレクリエーションをすることができます。
また、介護をしてくれるスタッフは、固定ではありません。大人数のケアを、大人数のスタッフで分担して行います。そのため、合わないスタッフがいても、他のスタッフが助けてくれるので、安心です。
ユニット型
ユニット型は、施設で過ごす期間も、個々を尊重し、自宅にいるような気持ちで過ごせるように作られたスタイルです。
ユニット型は、全て個室になります。個室を取り囲むような形で、リビングルームのような共有部屋があります。
リビングは、ユニットごとについているので、プライベートな空間を保つことができます。
ユニットは、5人から10人くらいとなっており、専用の介護スタッフがサービスをします。そのため、スタッフや利用者との絆が深まり、ひとりひとりに合わせた介護ケアを行ってくれます。利用者は、家族のようにリラックスしながら施設生活を送ることができます。
2. 特養で受けられるサービス内容
特養で受けられるサービス内容の詳細については、都道府県ごとに決められています。
生活支援
食事・入浴(週2回以上)・洗濯や掃除などの生活援助が行われます。
食事は、栄養士による管理のもと、刻み食事やトロミにも対応してくれます。
リハビリ等
季節のイベントやレクリエーション、リハビリも行われ、介護度が上がらないように予防をしてくれます。
医療・看取り対応
施設医がいることが多いですが、いなくても訪問診療などをして、健康管理や薬の管理をしてくれます。
薬の費用などは、月末に個々にかかった分だけ請求されます。
看取り対応してくれる施設も多く、終身の住み家として利用することができます。
3. 特養の入居条件とは
年齢
特養の入居条件として、年齢は、原則65歳以上となります。しかし、末期癌などの特別な疾患により、介護が必要となってしまった場合には、40歳以上から入居が認められます。
介護度
特養の入居条件として、原則的に、介護度は、要介護3以上の高齢者となります。
しかし、認知症や障害がひどく、家庭で介護できない場合や、家族からの虐待が認められる場合などは、特例として要介護1や2でも入居が認められることもあります。
4. 特養の費用は
特養の費用は、介護保険が適応となります。
そのため、月額費用をすべて自費で払う有料老人ホームと比べて、特別養護老人ホームは介護保険の負担割合(1〜3割)となるため、安価でサービスを受けることができます。
月額費用とは、居住費用・食費・施設サービス費・日常生活費からなります。
居住費用は、部屋のタイプにより決まり、施設サービス費は、介護度や施設の種類(ユニット型・従来型)によって決まります。
おおよその目安として、1割負担の方で、月額費用は8万(従来型)〜13万円(ユニット型)となります。払った月額費用については、医療費控除対象ともなります。くわしくは、こちらをご覧ください。
5. 特養のメリット
基本終身まで入居できる
介護度が3〜5まで、寝たきりの状態でも入居し続けることができます。基本的には、施設で看取りも行ってくれます。
月額利用料が安い
介護保険が利用できるので、有料老人ホームと比べるとかなり安価となります。
24時間介護体制がある
介護士が常駐しているため、早朝や夜間も介護ケアを受けることができます。
6. 特養のデメリット
待機期間が長い
現在は、特養も増設されたので、入居待機も短くなりましたが、都心部ではまだ数年かかることもあります。
要介護3以上でないと基本入居できない
特養の待機期間を短くするために、要介護3以上の方を入居対象としています。例外もあります。
医療ケアに施設差がある
医師の配置や看護師の配置には、施設に大きな差があります。医療ケアが十分でない施設だと、痰の吸入など24時間ケアが必要な場合には、住み続けることが難しくなることもあります。
7. 入居の待ち期間、優先順序はどう決まるか
入居待ち期間について
特別養護老人ホームは、地域によって待ち期間は大きく変わります。特に都心部においては、人気が高く、入居に数年待ちのところもあります。
しかし、政府の政策により、特別養護老人ホーム施設が増えていることと、入居条件が要介護3以上とハードルが高くなったことで、待機者は減っていることがわかっています。
入居優先度について
基本的には、早く申し込んだ人から、訪問面接を受けて、入所判定会議が行われます。
入居判定会議による入居優先度は、本人の介護の必要度と、家族が離れて暮らしている・家族自身が介護ができないなどの家族の状態が点数化されて判別されます。点数が高い方ほど、緊急性が高いと判断され、入居につながります。
8. 待機期間を短くするためにどうすれば良いか
介護の変化をしっかり伝える
申し込み時点よりも、介護度が進み自宅介護が難しいと思った時などは、優先度を上げてもらえることもあるので、早めに報告することが大切です。
複数の施設を検討する
都心部の特養はとても人気で、待機期間も長めです。郊外や少し不便な場所にある施設も検討して申し込むと入りやすいです。
ユニット型特別養護老人ホームも視野に入れる
ユニット型は、従来型と比べて1割負担で月額4万円ほど高くなります。そのため、従来型よりもやや入りやすい傾向にあります。
まとめ
特別養護老人ホームは、在宅での介護が難しくなってきた時に入居する施設になります。介護ケアも専門の介護士が行ってくれるので、家族も安心です。
最近では、月額利用料が4万円ほど高くなりますが、ユニット型という個人の尊厳を大切にした形態もできました。
ユニット型であれば、個室も確約されるので、介護が重くなった時や、家族の訪問もしやすくなります。
大切なご家族の住居になる施設は、ぜひニーズと特徴を確認して、しっかり選んであげてください。