厚生省によると、 65歳以上の高齢者のうち、約10人に1人が認知症症状があると発表されています。
認知症は、誰しもがなり得る病気です。そして、認知症の原因は、ほとんどわかっておらず、完治する治療法も見つかっていません。
では、認知症は、どんな性格や生活スタイルの人がなりやすいのでしょうか。今回は、認知症になりやすい性格・なりにくい性格や、生活習慣のリスクをお伝えします。
また、いつまでも元気でいられるように、認知症の予防法もご紹介します。
目次
1. 認知症になりにくい性格とは
アメリカの大規模な研究では、責任感の強い人が、約35%も認知症リスクを低くしたと発表しました。
他にも、自制心・勤勉さも発症リスクを下げる要因とされています。
つまり、責任感があり、自分の行動をコントロールできる人、ハードワーカーな人が、認知症のリスクを下げる可能性があると言われています。
2. 認知症になりやすい性格とは
怒りやすい
小さな事ですぐ怒る人などは、他人とうまくコミュニケーションがとれなかったり、社会生活に馴染めないこともあります。
コミュニケーションは、認知症予防に有効なので、短気で怒りやすい性格は、認知症のリスクにつながると言われています。
気にしやすい
小さなことを気にしやすい性格の人は、ストレスを溜めてしまう傾向にあります。
ストレスが蓄積すると、抑鬱につながるおそれもあります。
鬱は、認知症のリスクにつながると言われています。
協調性がない
協調性のない人は、社会から孤立しやすく、他人と関わる機会が減るため脳への刺激が減ってしまいます。
周りの人や社会と繋がっていることも、認知症リスクを減らすポイントになるのです。
3. 認知症の予防法
バランスの良い食事
体を作るのに必要なタンパク質をしっかりと摂取し、余分な塩分や糖分を控えることが大切です。
生活習慣病があると、血管も弱くなりますし、認知症も発症しやすいと言われています。
適度な運動と思考の両立
適度な運動の中でも、ランニングではなく有酸素運動が効果的と言われています。
散歩などを1回30分以上、週に3回は行うことが望ましいです。
さらに、散歩をしながら朝食べたものは何だったかな?昨日何をしたか?など、運動をしながら思考を使う事で、脳細胞が刺激を受けやすいと言われています。
他の人とコミュニケーションをとる
高齢になると、外に出るのが億劫になったり、他人と会う機会が減ってしまう傾向にあります。
しかし、家族や他の人とコミュニケーションをとることで、脳への刺激となり、認知症予防にもつながります。
多くの高齢の方が、昔体験した同じ内容の話を何度もされたりします。しかし、これは「回想法」といって、認知症予防に有効とされています。
昔の事を思い出し、それを口に出すことにより、脳の働きを活発にしてくれます。
お酒を控える
多量のお酒により、ビタミンなどの栄養が吸収されにくくなり、脳の萎縮にもつながることがわかっています。
特に高齢になると、お酒を生きがいにしてしまう方も多く、必要以上に摂取してしまう傾向にあります。
フランスで発表された調査では、アルコールを多量摂取している高齢者は、認知症になるリスクが普通に生活している人の3倍以上になるといわれています。
4. 認知症になってしまったら
軽度認知障害は、回復する?
軽度認知障害と診断されても、回復する人や悪化せず、症状を維持できる人もいらっしゃいます。
認知症も、早期発見が大切です。
軽度認知障害と診断されたときは、まず楽器をひく、囲碁や将棋をする、買い物の計算を頭の中でしてみるなどの脳のトレーニングをしてみましょう。
脳の刺激を続けることで、軽度認知障害は回復に向かう可能性があります。
早めの薬物療法を
認知症の種類によりますが、アルツハイマー型認知症は、進行を遅らせる薬物がたくさん出来ています。
脳が萎縮しきってしまう前に、薬物療法を開始し、進行の抑制をしましょう。
非薬物療法の取り入れ
認知症は、薬物療法だけでなく、非薬物療法がとても効果を表すことがあります。
非薬物療法とは、予防でもお話しした通り、運動療法・生活習慣の改善・昔のことを思い出す回想法などがあります。
ほかにも、園芸や麻雀、囲碁など、趣味なども、非薬物療法に含まれます。本人が興味のある分野を選んで、行うことが大切です。
まとめ
認知症は、まだ原因がはっきりわかっておらず、確実に発症・悪化を予防する方法も見つかっていません。
しかし、多くの研究で、認知症は、脳の刺激が減ったり、糖尿病などの生活習慣病があるとなりやすくなるといわれています。
認知症になってしまったとしても悲観せず、現代の医療は進んでいますので、薬物療法や機能訓練をおこなって進行予防をしましょう。