在宅介護をしている方の多くは、デイサービスやショートステイ、訪問介護のいずれかにはお世話になることがあると思います。
仕事や育児をしながら、家族の介護を両立される方や、遠方に住んでいて、充分に介護できない・独居なので心配など、さまざまな背景を持たれている方もいらっしゃいます。
高齢者の方は、孤独感や疲労感がたまりやすい傾向にあります。さらに、介護をされている方もまた、孤独感・疲労感を感じてしまう場面が、多いです。
今回は、家庭での介護に必要不可欠といってもいい、デイサービス、ショートステイ、訪問介護の違いを説明していきます。デイサービスや訪問介護の利用により、最初は嫌がるかもしれませんが、介護を受ける側も、家族以外とコミュニケーションをとる機会ができ、社会に繋がることができます。
介護保険でできるサービスを理解し、上手に利用しながら、在宅介護と向き合っていただけたらと思います。
目次
1. デイサービスとは
デイサービスとは、在宅介護を受けている要介護認定の方のための通所型の介護サービスとなります。
基本的には、自宅への送迎もあります。施設では、入浴、食事、排泄などの、日常生活と同じ介護サービスを受けれる他にも、機能訓練なども受けることができます。
機能訓練とは、ゲームやレクリエーションなどをまじえた内容が多く、他の人と関わる時間を設けることができます。
デイサービスに通うことで、自宅で介護を受けている孤独感や社会から離れた気持ちのケアも目的とされています。
しかし、介護を受ける側は、環境の変化を拒むことも多く、デイサービスに行きたがらない方も多いです。ただ、他の人と触れ合う時間は、脳にも刺激となりますし、心の健康にもつながります。
デイサービスは、サービス業者によって、行われている内容も異なります。手芸やマッサージなど、様々な内容がありますので、本人が興味のあるものが見つけられるか、ケアマネージャーや地域包括支援センターに内容を相談してみましょう。
2. ショートステイとは
ショートステイは、条件を満たした方が受けられるサービスです。
基本的に、要介護定を受けた高齢者や、40歳以上から64歳までの特定疾病による
要介護認定を受けた方が、利用することができます。
ショートステイは、介護している人や家族の負担を減らすために、数日から最大30日間まで施設に宿泊することができます。
31日以上の宿泊も可能ですが、すべて自費となります。
ショートステイできる施設
介護保険を活用して、ショートステイができる施設は、大きく分けて2種類あります。
1つは、併設型といって、特別養護老人ホームや老健などの施設で宿泊するものです。
もう1つは、単独型とよばれ、施設ではなく、ショートステイ専門の施設に宿泊します。
併設型は、もともとショートステイ用の空き部屋が少ないことも多く、予約を取るのが難しいこともあります。
ショートステイの注意点
4日以上宿泊する場合は、ケアマネージャーによるケアプランが必要なことと、介護度によって、介護保険が使える日数が異なるため、予め確認が必要です。
また、ショートステイは、人気が高く、予約が取りにくいことが多いです。常に複数の施設を検討し、いざというときに備えましょう。
こんなときにショートステイを利用しよう
・介護をする家族が仕事で忙しい時や、出張・冠婚葬祭などで留守にする時
・介護をする家族が、介護疲れがあり、休みたい時
・介護者が一人暮らしなどで、孤独感があるとき
ショートステイを利用することで、介護する家族の仕事が忙しい時期は、平日をショートステイ、土日を自宅などにすることもできます。
介護で行き詰まらないように、ショートステイをうまく利用してみてください。
3. 訪問介護とは
訪問介護とは、ホームヘルパーなどが、介護者の自宅に来て、日常生活の支援・介護を行ってくれるサービスです。こちらも、独居の高齢者の方などは、導入を拒否してしまうケースが多いです。
しかし、持病の症状の悪化や見守りを目的としても、利用する価値がとても高いサービスです。
介護者だけでなく、知らない人が、自宅に入って二人で時間を過ごすなんて、だれでも抵抗があるものです。訪問してくれるヘルパーと信頼関係を構築することで、利用してくれるケースが多いので、まずはお話から聞いてみましょう。
訪問介護で受けられる内容
訪問介護では、身体介護と生活援助と呼ばれる2種類の介護を主に受けることができます。
身体介護とは、食事・入浴・排泄などの介護ケアのことで、生活援助とは、買い物の代行や、食事の準備・調理、掃除などの生活に必要な家事の援助になります。
訪問介護の注意点
訪問介護は、介護される人を対象とするため、同居している家族分の食事などの準備をすることはできません。また、医療行為や、窓拭き・床のワックスがけなども頼めません。家事については、必要最低限のものが頼めると考えておきましょう。
また、訪問介護を1日複数回、受けたい場合もあるかもしれません。その際は、 1つのサービスとの間を、2時間以上空ける必要があるため、注意してください。
まとめ
仕事や育児をしながら家族の介護をされる方や、遠方に介護が必要な家族がいて中々行けない方は、介護サービスの検討が必要かと思います。
介護は、受ける側も、行う側も、孤独感やストレスが溜まりやすくなります。
地域で利用できるサービス内容を、是非知って頂き、無理のない介護生活を送っていただけたらと思います。