家族が要介護状態になったときに、利用できる制度として代表的なものに介護休業制度があります。
介護休業制度とはどんな制度で、みんな利用しているものなのでしょうか。
また、介護休業制度の利用条件や給付金、社会保険が免除できるのかどうかについて、わかりやすくお伝えしたいと思います。
介護休業制度は、一定条件を満たせば、働いている誰もが受ける権利のある制度です。
介護と仕事を両立するのであれば、必ず詳細を知っておく必要があります。
目次
1.介護休業制度の実態
平成28年厚生省の調べによりますと、就業規則に介護休業制度について記載されている事業所(5人以上)は、65.6%となっています。大企業では当たり前となりつつある規則ですが、やはり小企業などではまだまだ認知度が低いようです。
しかし、介護休業制度は国で規定されている制度ですので、就業規則にない場合でも受けることができます。育児休暇同様、従業員が希望した場合、会社は拒否することはできません。
また、平成28年の段階で、働きながら介護をしている人は全国で239万9千人でした。そのうち介護休業制度を利用している人は、7万6千人、時短勤務が5万6千人、介護休暇を利用している人も約5万6千人となっています。
介護休業を設定している企業であれば、離職率を下げることは企業のメリットでもあります。高齢化社会が進んでいる現代なので、今後もこの数字は伸びていくものと予想されます。
2.介護休業制度とは
介護休業制度は、平成29年の改定により分割取得ができるようになり、一層利用しやすくなりました。詳しく説明すると、介護対象家族1人につき年間最大93日間休むことが認められます。さらに一度にとるのではなく、93日を3回を上限に分割してとることが可能になりました。
分割が可能になったことで、企業としても短期間の休業になるため、双方にメリットがあるといえるでしょう。
3.介護休業制度を満たす条件とは
介護休業制度を利用するには、一定の条件を満たした従業員でないと受けることができません。その条件とは、以下の通りです。
・同一事業主に1年以上引き続き雇用されており、介護休業をとる予定の日(つまり最大93日後)から半年後までに契約満了しない者。更新の場合は、更新後の契約がこれにあたること。
・要介護状態である家族を介護する従業員であること。
・1週間の所定労働日数が2日以下でないこと。
・個人事業主ではないこと
4.介護休業給付金はどのくらいか
介護休業制度を利用した場合は、介護休業給付金を受けることができます。これは、企業負担ではなく、ハローワークからの支払いとなるため申請が必要です。申請方法としては、働いている会社の労務担当者に、速やかに手続きを行ってもらう必要があります。
受けれる給付金とは
休業開始賃金日額×支給日数×67%
ただし、月額賃金が7万5千円以下の場合は、7万5千円給付されます。逆に高額所得の場合は、33万5067円が上限となります。
注意点としては、給付金が振り込まれるのは、介護休業終了した復職後となるため注意が必要です。
5.介護休業制度を利用した場合、社会保険は免除になるのか
残念ながら介護休業制度を使用した場合も、社会保険(健康保険料・年金)の支払い義務があります。給付金は後払いとなるため、注意してください。
まとめ
高齢化社会が進む中、介護で利用できる制度も増えてきています。中でも介護休業制度は、長期にわたり休暇をとることができ、給付金も発生するのでメリットの多い制度です。
仕事と介護を両立するうえで、制度やサービスの利用は必要不可欠です。少しでも色々な助けを利用して、よりよい家庭環境を築いてください。