老人ホームには、大部屋と個室からなる【従来型】と、完全個室と半個室からなる【ユニット型】があります。
現在は、厚生労働省から、プライバシーが確保されるユニットケアが、推奨されており、多くの介護施設で導入されています。
今回は、ユニットケアとはどんな役割があるのかと、従来型と比べたメリット・デメリットについても解説していきたいと思います。
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目次
1. 老人ホームのユニットケアとは
老人ホームのユニットケアとは、約9人程度のグループで生活するもので、施設をまるで自宅に住んでいるかのような、家庭に近い環境で過ごしてもらうことをいいます。
ユニット型の老人ホームの場合は、完全個室もしくは、大部屋を仕切りで区切ってある半個室があります。それぞれの部屋の中心には、共用リビングルームが設置されています。
従来型は、部屋の前には廊下があるものです。しかし、ユニット型では、家庭により近く生活できるように、利用者の団欒の場としてリビングルームが作られているのが大きな特徴です。
また、ユニット型では、各ユニットの共用スペースで食事をとることもできるので、より家庭に近い形で日内リズムをとることができます。
2. ユニットケアの役割
ユニットケアの役割は、プライバシーや個人の尊厳を守れることです。
今までは、病院の入院と同じような多床室がほとんどで、ゆっくりできる場所は、ベッドの上がほとんどでした。
しかし、ユニット型導入により、リビングルームや半個室を利用することができ、個人の守るべきプライバシーを確保することができます。
また、ユニットごとの少人数の利用者と、決まったスタッフで介護ケアをするこで、個々に合わせたより質の高い介護ケア・精神ケアができると考えられています。
3. ユニットケアのメリット
プライバシーの確保ができる
ユニットごとの人数が少ないので、プライバシーの確保が保てます。また、部屋も個室や半個室のため、自分の時間も作ることができます。
家庭に近い雰囲気ですごせる
従来型では、病院のような設計であったのに対し、ユニット型は、個人の部屋とリビングルーム・共有スペースが確保されています。
そのため、1人で休むプライベートな空間と、団欒を楽しむ共用部分があり、家庭に近い雰囲気で過ごすことができます。
他の利用者と交流が深まる
ユニットごとに人数が決められているので、共同生活をしていきながら、他の利用者とも交流が深まります。
環境の変化が苦手な認知症の方や、高齢者の方でも安心です。
個々に合わせた介護ケアができる
スタッフが決まっているので、個々に合わせたケアを受けることができます。
ユニットケアでは、従来型と比べて、利用者の個性を生かした生活を送ることができます。
家族が面会にいきやすい
大部屋が主流だった従来型に対し、家族が面会しやすいのも大きなメリットです。
プライバシーに配慮されたつくりなので、他の利用者をあまり気にせず、会いに行くことができます。
感染症リスクが少ない
老人ホームは、毎冬インフルエンザが流行することも多いです。高齢者にとって感染症は大敵です。
同じスタッフ・少人数で過ごすユニットケアは、感染症のリスクも従来型より低くなります。
4. ユニットケアのデメリット
費用が高い
ユニット型は、建設費も高くなるため、従来型よりもやや高くなってしまいます。
合わない人がいると大変
少人数ユニットで過ごすため、スタッフや他の利用者と合わない場合は、ストレスを感じてしまうこともあります。
集団生活が苦手な方には苦痛
いつも同じメンバーで過ごすため、集団生活が苦手な方や、1人の時間を大切とする人には合わないこともあります。
5. ユニットケアを実施している施設
グループホーム
認知症の方向けのグループホームは、すべてユニット型のケアを行っています。
認知症の方は、環境の変化や、たくさんの人の出入りがあると、馴染むことができず不穏な状態になりやすいです。
そのため、グループホームでは、認知症の方が家庭にいるような環境で、過ごせるようにユニットケアを取り入れています。
特別養護老人ホーム
終の棲み家ともなる施設ですので、ユニットケアを取り入れることで、個人のプライバシーを守ることができます。また、一緒に過ごす仲間ができるので、生きがいや脳の活性化も期待できます。
他にも、老健や有料老人ホームでも、ユニットケアを導入する施設がでてきています。
介護士さんは大変だと思いますが、今後は、施設の在り方にも大きな変化がみられそうです。
まとめ
ユニットケアは、プライバシーの保護だけでなく、自分らしく生きていくための新たなケア方法ともいえます。
少人数制で生活を共にすることで、利用者や介護スタッフとの絆も深まります。また、共用部のリビングがあることで、よりリラックスした気分で、施設生活を楽しむことができます。