働き盛りの若い世代や、30代〜40代などは、在宅介護という言葉すらピンと来ていない方も多いかと思います。
現在では、老老介護や認認介護など、高齢者同士で介護する言葉ばかり浸透してしまい、他の世代への認識が薄くなっているともいえます。
一方で、国内の約3割が65歳以上の高齢者となっている日本では、介護の導入が在宅介護がほとんどです。また、急な怪我や、大きな病気が要因となり、在宅介護は突然必要となるケースも多いのです。
今回は、在宅介護を行うことになった年齢や、在宅介護により生活がどう変わったかなどを経験者の集計をもとに説明したいと思います。
1. 在宅介護は、何歳から始まる?
平成29年の大王製紙が、在宅介護をしている300人を対象に行った「介護と年齢」に関する意識・実態調査によると、 61%の在宅介護者が「思ったよりも若い年齢で介護が始まった」と答えています。
在宅介護が始まった平均年齢は、50.9歳となっており、 20代・30代では在宅介護の意識すらしていなかったと答えた方が70% 以上でした。
50代の多くで、在宅介護が始まっているのは、働き盛りであると共に、子育て世代ともいえます。そのため、介護と子育てなどのダブルケアと呼ばれる状況が増加すると予測されています。
2. 在宅介護により変わったか
同じ大王製紙の研究結果によると、 71%の人が、在宅介護により諦めなければいけないことが発生したとわかっています。
そのうち、 1位は自由な時間を持つこと、2位が旅行、 3位に趣味を続けることとなっています。
在宅介護に時間がかかってしまうこと、毎日行うことなため、宿泊を伴う外出への制限がかかってしまうことになります。
介護をする側も、リフレッシュや休養をとることが大切なのですが、ただでさえ介護を理由に会社を休まなければいけないこともあるため、付き合い方が難しいともいえます。
3. 在宅介護のうち、排泄介助が最も負担
在宅介護を行なっている人では、 69%が精神的につらい・61%が肉体的につらいと訴えられています。
また、つらいと感じている介助のうち 1位が排泄介助・2位が立ち上がりなどの移動介助・3位が食事介助となっています。
(大王製紙調査)
排泄介助では、夜間においても、トイレやおむつ交換などで、睡眠時間が妨害されます。そのため、精神的にも肉体的にも大きな負担になるといえます。
夜間訪問介護の検討も
要介護認定を受けているならば、ケアマネージャーにケアプランとして作成してもらうことで、夜間対応型訪問介護を受けることもできます。
夜間対応型訪問介護を利用できる時間帯は 18時~翌朝8時までとなっており、日中の訪問介護と組み合わせて行うこともできます。
褥瘡予防のための体位変換や、おむつ交換をしてくれるので、夜の介護の時間を減らすことができます。
4. 在宅介護はうまく付き合うことが大切
在宅介護は、介護をされる側にスポットが当てられがちですが、介護をする側のケアが必須となります。介護する側は、精神的にも肉体的にも追い詰められてしまうと、在宅介護も限界を迎えてしまいます。
まずは、利用できる介護保険サービスを徹底活用するとともに、ケアマネージャーや地域包括支援センターなどに相談をして、 1人で抱え込まないことが大切です。
まとめ
在宅介護は、ほとんどの方が思っているよりも早く必要となることがお分かりいただけたかと思います。
まずは、介護について利用できるサービスや制度を知っておくことが、在宅介護とうまく付き合うコツとも言えます。
他人事ではない介護について、少しでも理解を深めていただけたらと思います。