バリアフリーやユニバーサルデザインという言葉は、多くの人が耳にしたことがあるのではないでしょうか。しかし、違いについては具体的にわかりにくく、混同している部分もあると思います。
バリアフリーとユニバーサルデザインの違いとはどんなものなのか。具体的な例を挙げながら、わかりやすく違いを解説していきたいと思います。
1. バリアフリーとは
バリアフリーとは、高齢者や体の不自由な障害を持つ人が、社会に対してバリア(障壁)だと感じるものを取り除くことです。
例えば、車椅子の方が、道路を通ろうとしているときに駐輪した自転車があって通れないこともバリアになります。他にも、入りたいお店の前に階段があって入れない場合や、道路の段差もバリアと感じます。
また、物理的なバリア以外にも、高齢者や障害者を「かわいそう」と、とらえられてしまう心のバリアや障害により入学ができない、資格が取れないなどの制度のバリアもあります。
2. ユニバーサルデザインとは
ユニバーサルデザインとは、年齢・性別・能力や障害などに関係がなく、みんなにわかりやすく使いやすいデザインをしていくという取り組みです。
ユニバーサルデザインの歴史は長く、 1997年にユニバーサルデザインの7原則が作られました。
ユニバーサルデザインの7原則
ユニバーサルデザインの7原則とは、以下の通りです。
・公平であること
・柔軟に選択できること
・簡単に使えること
・わかりやすいこと
・エラーが少ないこと
・効率が良いこと
・1人ひとりのサイズに合うこと
3. バリアフリーの具体例とは
スロープの設置
段差や階段のある部分に、スロープを設置することで、足の不自由な方や車椅子・ベビーカーも安心して通ることができます。
歩道のワイド化
細い歩道は、車椅子が通るのには難しいことが多かったが、歩道の幅を広げることで、歩行者と車椅子が同時に通れるようになります。
エレベーターの設置
駅などに階段昇降機だけでなく、エレベーターを設置することで、車椅子や階段の登り下りが難しい高齢者も気軽に利用できるようになります。
バリアフリーについてはバリアフリーの具体例の記事を参考にされてみてください。
4. ユニバーサルデザインの具体例とは
ワイドスイッチ
以前に比べて自宅や店舗に設置されている電気のスイッチが、ワイドになっています。
スイッチが大きくなったことにより、手が不自由な方や力の弱い方でも簡単に押せるようになっています。
わかりやすいゴミ箱
岡本紙文具ホームページ
ゴミ箱のデザインが、ゴミを捨てやすい広い間口や分別が誰でもできるようにわかりやすくなっています。
トイレ・エレベーターのマーク
デパートや公共機関に行くと、トイレやエレベーターの場所を探すときにも、ユニバーサルデザインが役に立ちます。
トイレのマークやエレベーターのある方向に合わせて、表示が見やすくわかりやすく提示されています。
視覚障害者のためのユニバーサルデザイン
視覚障害者のために、お札には判別できる印がついていたり、牛乳パックにも上部に切り欠きがついていて、触るだけで判別できるようになっています。
まとめ
ユニバーサルデザインやバリアフリーが広がることで、誰でも使いやすく住みやすい街ができます。また、物理的なバリアフリーは、自治体でも改善することができますが、心のバリアフリーは人々の心がけが必要となります。
少しでも多くの人が住みやすく使いやすい世の中になればと思います。