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これから介護世代が増える中、育児や仕事と両立していく子供世代も増加します。いまそのような状況になっている方・これから可能性のある方に向けて、介護とはどのようなことなのかをわかりやすくお伝えできればと思います。

アルツハイマー型認知症とは?症状や進行をわかりやすく解説

親の物忘れがひどくなってきて、認知症なんじゃないかと心配されることもありますよね。ご家族だと、近くにいるからこそ早く気づくこともできます。
また、アルツハイマー認知症と診断されていて、いつまで介護が続くのか。今の症状はどこに当てはまるのか気になる方もいらっしゃるかもしれません。

今回は、アルツハイマー認知症とはどんな症状なのか?どんな症状を通じて進行ていくのか薬剤師がお伝えしたいと思います。

1. アルツハイマー認知症とは?症状は?

アルツハイマー認知症とは?

高齢化社会が進み、認知症という言葉がよく聞かれるようになりました。アルツハイマー認知症とは、認知症の1種です。

アルツハイマー認知症は患者数がとても多く、全国の認知症患者の約半数を占めると言われています。

アルツハイマー認知症の症状は?

一般的に、認知症には、発症前期・初期・中期・末期とゆっくりと症状が進んでいきます。

特にアルツハイマー認知症の場合には、中核症状と行動・心理症状と言われる症状が出やすいことが知られています。

アルツハイマー認知症の中核症状とは?

中核症状とは、"行動を覚えていない"記憶障害や、"出かけたのに家に戻れない・待ち合わせしたのに場所がわからない"などの見当識障害のことです。

行動を覚えていない記憶障害とは、例えば夕ご飯に何を食べたか覚えていないのではなく、ご飯を食べたことを忘れてしまうという行動そのものをわすれてしまうことです。

アルツハイマー認知症の行動・心理症状とは?

行動・心理症状とは、個人個人で多種多様に出るのが特徴です。主な症状は、徘徊や不安・妄想、焦燥感やうつ状態、せん妄、暴力です。

アルツハイマー認知症で出る行動・心理症状は、環境素因も強く、家族や周りの環境にも影響を受けやすいと言われています。

2. アルツハイマー認知症の原因

アルツハイマー認知症の原因は、脳の萎縮によって起こる障害になります。特に、記憶を司る海馬周辺が萎縮すると、記憶障害などの症状が出てきます。

脳が萎縮し、アミロイドタンパクが蓄積して、段々とアルツハイマー認知症が進行していきます。

アミロイドタンパクとは、本来ならば蓄積されずに分解し、排泄されます。しかし、年齢とともにその代謝能力が下がるために、アミロイドタンパクが蓄積しやすくなります。

3. アルツハイマー認知症の進行・寿命とは?

アルツハイマー認知症は、発症前期・初期・中期・末期と呼ばれる4段階によって進行していきます。進行速度は、個人差があり、基本的にはゆっくりと進む場合が多いです。

アルツハイマー認知症の発症前期症状

軽度認知障害と呼ばれるのが、発症前期症状です。物忘れや、抑うつ状態などが見られ始めます。人によっては、この症状が数年続くこともあります。

アルツハイマー認知症の初期症状

物忘れ症状が進行していきます。特徴としては、昔のことは鮮明に覚えているのに、最近のこと・新しいことほど忘れやすくなります。

加齢の物忘れとの違いは、行動を忘れてしまうことです。ご飯を食べたけど、何を食べたか忘れてしまったなどは、加齢による物忘れです。
アルツハイマー認知症の場合には、行動自体を忘れてしまうので、ご飯を食べたこと自体を忘れてしまいます。

他にも、昼夜逆転しやすくなるなどの見当識障害や、今までできていたことができなくなってきます。洗濯機の使い方・電子レンジの使い方など、所作に段階のあるものなどは難しくなります。

アルツハイマー認知症の中期症状

物忘れ以外にも、自宅の中でトイレの場所がわからない・近所から帰宅できないなど見当識障害が悪化していきます。

他にも、日常生活でできていたトイレや歯磨き・リモコンの使い方など簡単な所作もできなくなってしまいます。

アルツハイマー認知症の末期症状

言語能力が著しく低下して、話すことが難しくなっていきます。他にも、食事やトイレ・歩行も自力では難しくなり、介護が必須となります。

家族の顔の認識も難しくなり、寝たきりになる方も多くなります。

アルツハイマー認知症の寿命

アルツハイマー認知症の寿命は、個人差がありはっきり何年とはいえません。しかし、アルツハイマー認知症と診断されてからの平均寿命は、7〜10年と言われています。

ただし、診断された時の年齢やアルツハイマー認知症の症状の度合いについても大きく左右されます。

アルツハイマー認知症の末期になると、食事を噛んだり飲み込む力が弱くなるため、誤嚥性肺炎などを起こしやすくなります。そのような二次的な症状でお亡くなりになることもあります。

4. アルツハイマー認知症予防に期待のフェルラ酸とは?

アルツハイマー認知症の予防に期待される、フェルラ酸という成分を聞いたことはあるでしょうか。最近とても注目されていて、玄米や黒米フレークなどに豊富に含まれる成分です。

フェルラ酸のもつ強い抗酸化作用が、細胞の酸化によって悪化しやすい糖尿病や心血管疾患・アルツハイマー認知症の予防にも期待されています。

詳しい記事はこちらになりますので、ぜひ参考にされてみてください。

まとめ

アルツハイマー認知症は、発症前期症状を含めると特に長期にわたって付き合わなければいけない症状といえます。
初期から中期では、本人の心理的ストレスも強く、攻撃的になったり、家族も付き合い方に悩む時期となります。

疾患を理解して、本人の中でどんな変化が起こっているのか知ることが大切と言えます。