軽度認知障害とは、健康な状態と認知症の状態の間の期間になります。認知症は、まだ発症していないため、日常生活は自活できている状態です。
しかし、軽度認知障害を放置してしまうと、認知症への移行が早くなる可能性もあります。
今回は、軽度認知障害とはどんな症状なのか?初期症状やチェックリストについて、お伝えしたいと思います。
身近な方が、物忘れが多くなったり、様子がおかしくなってきたと感じたら、軽度認知障害の可能性もあります。ぜひ参考にされてみてください。
1. 軽度認知障害とは?
軽度認知障害とは、健康な認知機能の状態と、認知症の発症する間の期間のことになります。MCLとも呼ばれています。
軽度認知障害の人数は、 2012年で約400万人とも言われています。軽度認知障害がでると、日常生活にはさほど支障ありませんが、家族や周りから見ると、時間や場所の把握などの認知機能の低下が見られます。
2. 軽度認知障害の初期症状とは?
軽度認知障害は、初期症状を知って、早めの専門医受診がおすすめです。放置してしまうと、認知症へ移行しやすくなるため、注意が必要です。
では初期症状にはどんなものがあるのでしょうか?
記憶障害
ついさっきまでのことを忘れてしまいやすくなります。逆に、昔のことは覚えています。
実行機能障害
今まではできていた朝のルーティンや、物の使い方がわからなくなってしまう状態です。
1番わかりやすいのは、電子レンジや炊飯器などの家電の使い方や手順がわからなくなってしまう、混乱してしまう症状がでます。
時間や場所の見当識障害
近所でも迷ってしまったり、自分が今どこにいるのかわからなくなってしまったりします。他にも、夏なのにエアコンをつけたがらない、長袖を着るなど季節感や時間の感覚も鈍くなります。
無気力・無関心になる
今まで好きだったことに無関心になってしまう。気力がなくなって、活動量が減ってしまいます。
他にも、お風呂にはいる、着替えをする、髪型を整えるなどの身の回りのことに無関心になります。
ものとられ妄想がでる
お財布をとられたなどのものとられ妄想が強くなります。
理解力の低下
簡単なことも混乱してわからなくなったり、理解が出来ないことが増えます。会話が噛み合わなくなりやすくなります。
3. 軽度認知障害のチェックリストは?
軽度認知障害は、初期症状を見逃している可能性もあります。しかし、日々少しずつ進行している恐れもあるのです。
今回は、国立長寿医療センターで使われているチェックリストをもとに、ご家族が当てはまるのもはないか確認してみてください。
1 同じことを繰り返し聞いてくる
2 物の名前が出てこない
3 どこにしまったか思い出せない
4 前まではあった関心や趣味がなくなってきた
5 身なりや着替えなどがだらしなくなってきている
6 朝の歯磨きや夜のお風呂、日々のルーティンをしなくなった
7 時間の感覚がずれてしまう
8 近所でも迷ってしまう
9 財布やお金を盗まれたと疑う
10 家族に怒りやすい
11 戸締り、火の取り扱いができなくなっている
12 テレビの内容についていけない
13 夜中に騒ぐ
あくまで参考程度のチェックリストで、確定診断ではありません。複数当てはまる場合には、早めの専門医受診をお勧めします。
4. 認知症の発症を遅らせるためには?
認知症の発症や進行を遅らせるためには、薬物療法と、非薬物療法を組み合わせたりすることで行います。
薬物療法
薬物療法は、脳に働きかける薬以外でも、漢方薬や気持ちを落ち着かせる薬などが使われます。
非薬物療法
非薬物療法としては、脳トレーニングや回想法、動物セラピーや音楽療法などが取り入れられています。いずれも、脳に刺激を与えることで、進行を遅らせることを目的としています。
まとめ
軽度認知障害は、認知症発症のリスクがある状態です。家族や離れて暮らす身内の様子がおかしいと感じたら、チェックリストでまず確認してみてください。