仕事と介護の両立を応援するブログ

これから介護世代が増える中、育児や仕事と両立していく子供世代も増加します。いまそのような状況になっている方・これから可能性のある方に向けて、介護とはどのようなことなのかをわかりやすくお伝えできればと思います。

認知症の暴言・暴力には理由がある!認知症の暴言・暴力への対応とは?

認知症の方を介護している家族に多い悩みが、暴言や暴力になります。とくに、心を許している家族に対しては、認知症の方は、強く当たってしまう傾向にあります。

今回は、認知症の暴言・暴力の原因や適切な対応・予防についてお伝えしていきたいと思います。認知症の暴言・暴力は、ご家族が最も大変で、悩ませる症状ですので、少しでも参考になればと思います。

1. 認知症の方の暴言・暴力の原因とは?

冷静な判断ができない

認知症の症状が進むにつれて、自分の感情をコントロールすることが難しくなります。そのため、イライラしやすい状況になります。

さらに、脳の萎縮により理解力も低下しているので、思うようにいかず暴言につながってしまいます。

薬によって興奮しやすくなっている

認知症の進行を抑える薬によっては、興奮しやすくなってしまうものもあります。抑うつ状態だった方が、元気になる程度なら良いのですが、夜中に攻撃的になるなど困った状態になることもあります。
特に、新しい薬を始めたばかりの頃や、お薬を増量したときに起きやすいといえます。

不安を感じやすい

認知症の方は、さっきまで何が起きていたかや、これからどんなことが起きるかなどの予測ができず、常に不安と隣り合わせになっています。
そのため、混乱や不安から、暴れてしまうこともあります。

認知症の種類が、原因に

例えば、レビー小体型認知症では、幻覚や幻聴が出やすくなる特徴が知られています。本人には感じている幻覚や幻聴をきっかけに、暴力的になることもあります。
また、認知症は脳の萎縮がみられるため、萎縮している部位によっては、感情コントロールがうまくいかずに、暴言が出やすくなります。

2. 認知症の暴言・暴力の対応とは?

本人と距離をとるようにすることが大切

暴言・暴力の適切な対応は、距離を置くことになります。言い返したり、やり返すことは、絶対に行ってはいけません。
 
怪我をしないように物理的に距離をとってもらい、他の人が間に入ってもらうことも良いと思います。また、暴言ばかり言われていると、家族も困惑してしまいます。その場合には、ショートステイなどを利用して、物理的にも精神的にも距離を置くことが良いです。

かかりつけ医などに相談を

認知症の方の暴言・暴力に悩むようなら、医師やケアマネージャーに相談してみましょう。介護のプロ目線からみて、何か原因が見つかるかもしれません。
また、医師に相談することにより、落ち着いてもらう薬の処方を受けることもできます。

原因があれば理解してあげる

本人が怒ったきっかけになる事柄があれば、避けてあげる・サポートしてあげるなど、原因を究明することが必要です。本人の話をよく聞き、まず原因を探りましょう。

3. 攻撃性のある認知症とうまく付き合うには?

介護者を交代してもらう

身近な家族ほど、攻撃的になるといわれています。ヘルパーや近所の人には、優しいけれども、家族だけになると急に態度が変わるなどもよくあります。

ヘルパーに相談して、介護者を家族だけでなく信頼のおけるヘルパーに協力してもらいましょう。

落ち着かせる薬を使う

あまりに攻撃的になっている場合には、かかりつけ医に相談してみましょう。心を落ち着かせる頓服の薬や、イライラを落ち着ける漢方薬などもあります。

本人を尊重する

本人の意見に耳を傾けてあげましょう。常に不安におびえていないか、やりたいことが自力でできていないなどのストレスを感じているかもしれません。
また、幻覚に悩まされていることもあります。

本人に寄り添い、明るい気持ちにしてあげることが大切です。

体調は万全か確認する

認知症の方は、自分の体調が悪くても、理解できなかったり、うまく言葉で表現できないこともあります。
水分摂取を拒否してしまい、便秘がちになっていたり、脱水気味になっていることもあるので、注意が必要です。

外出をさせる

暴言や暴力がひどくなったからといっても、家に閉じこもってしまうと、さらにエスカレートしがちになります。散歩や近所だけでも良いので、外に出ることが大切です。

まとめ

認知症の暴言・暴力は、介護している家族には特に強く現れる傾向にあります。そのため、家族の負担がおおきく、時には介護を投げ出してしまいたくなることも多いかと思います。

認知症の方の考えや感じていることを、振り返ってもらうことで、家族の対応が変われば、本人の状態も良くなることがあります。無理なく接していただければと思います。

認知症の方への対応とは?認知症の方の気持ちを知ることが大切

家族が認知症になってしまうと、困った行動が増えたり、同じことを何度も聞いてくるなど、ご家族側も対応に困惑するかと思います。ときには、怒ってしまうこともあるかと思います。

しかし、認知症の本人からすると、なぜ家族が怒っているのか、嫌なことばかり毎日言われる気がするなど、マイナスなイメージが心に残ってしまっている可能性があります。

今回は、認知症の方への正しい対応とはどんな方法なのか。認知症の方の感じていること・気持ちを知って、対応に繋げてもらえたらと思います。

1. 認知症の方の気持ちに寄り添うことが大前提

認知症の方への対応は、個々に違う対応を必要とします。それは、本人に合った寄り添い方をする必要があるからです。

また、認知症の方は、リモコンをどこかに置いてしまっても、トイレを失敗してしまっても、その事実はやがて忘れてしまいます。しかし、怒られた・嫌なことを言われたという感情は、覚えている方も多いです。
家族が、認知症の方に怒ることが増えると、本人も居心地が悪くなり、家族へ強くあたってしまうこともあります。

まずは、認知症の方が感じていることを理解して、居やすい環境を作ってあげることが大切です。

2. 認知症の方が感じていることとは?

認知症の方が感じていることとは、どんなことがあるのでしょうか。

今までできていたことができなくなった

認知症の初期では、自分が今までできていたことができなくなっていることを、本人も理解しています。しかし、それは歳のせいなのかと感じつつ、周りには聞けない・打ち明けられない方が多くなります。

さりげなく、うまくフォローしてあげることで、本人への自信にもつながります。

家族や周りの反応が理解できない

認知症の方は、昔のことはよく覚えているけれども、最近の記憶が残らないという特徴があります。そのため、何度も同じことを家族に聞いていたり、何度も同じことを行うために、家族の負担が大きくなります。

家族の対応が、冷たくなったり怒られたりすることが多くなっても、本人はなぜそんな対応をされてしまうのか理解ができずにいます。

消極的・意欲低下してしまう

認知症の症状として、抑うつなどもあります。さらに、家族の対応や、できなくなったことが増えたことで、意欲低下が強くなることもあります。他にも、外出をしたがらない、環境を変えたがらないなどの特徴もあります。

3. 本人の居心地の良い環境を作ってあげましょう

本人は短期記憶がないことを忘れずに

認知症の方は、リモコンなどを隠してしまっても、その行動自体を忘れてしまっています。そのため、いくら本人に聞いても、自分がやったことではないからわからないと怒ってしまいます。さらに、本人は、家族から疑われた、怒られたことは心の底で覚えていきます。

認知症の信仰により、困った行動が増えていきますが、本人を怒っても良い方向には進みません。なるべく笑顔で接してあげることが必要です。

攻撃的になってしまったら

お財布を家族の誰かに盗られたなどの物取られ妄想や、攻撃的な状態になってしまったときには、まずは落ち着いてもらうことが必要です。
ここでまともに言い合いになってしまうと、本人は嫌な気持ちだけが増えてしまい、さらに悪い状況につながってしまいます。

落ち着いてもらうには、本人の気持ちに寄り添い、同調してあげたり、本人の好きなものやおやつなどで気をそらしてあげることも有効です。

まとめ

認知症の方への対応は、家族側は我慢することが多くなり、とても大変かもしれません。
しかし、笑顔をたやさず、居心地の良い環境を作ってあげることで、認知症の方も笑顔が増えてくれると思います。

認知症は病気なので、本人にはどうしようもない場面もあります。ご家族が寄り添い、理解してあげることが必要といえます。

認知症の診断基準とは?何科にいけばよい?

認知症が心配になってきたら、どこの病院にいけばよいのか、何科にいけばいいのか困ることもありますよね。

また、ただの物忘れによるものなのか、認知症の疑いがあるのかも気になるところです。

今回は、認知症の疑いがあったときに行くべきなのは、何科なのか。また、認知症の診断基準はどんなものなのかをお伝えしたいと思います。

1. 認知症の診断の流れとは?

認知症の診断基準は、会話や画像診断・一般検査や認知症テストなどを総合して行われます。これは、脳腫瘍などの他の疾患が原因ではないかどうかなど、じっくり診断することが必要だからです。

一般的な診断の流れとしては、
問診→一般検査→神経心理学検査・脳画像診断となります。

2. 神経心理学検査とは?

神経心理学検査という認知症テストのような検査になります。点数制で、一定の点数以下になると認知症の疑いになります。

長谷川式簡易知能評価スケール

神経心理学検査の中で、最も一般的に使われている方法になります。年齢や簡単な計算、日付などの質問に答えてもらう形になります。他にも、言葉の流暢性をみるために、知っている野菜の名前を答えるなどの質問もあります。

ミニメンタルステート検査

長谷川式と同じような簡単な質問に答えていく検査になります。その日の日付や曜日、何県にいるのかなどの場所や日付の見当識などをテストします。

時計描画テスト

時間を伝えて、時計を書いてもらう検査になります。時計の長針や短針の位置関係が適切かをみます。

3. 認知症の疑いがあったら、何科にいけばいい?

かかりつけ医に相談する

かかりつけ医では、認知症の確定診断はできないかもしれません。しかし、お医者さんのネットワークは様々ありますので、信頼おける病院への紹介をしてくれるかも知れません。

地域包括支援センターに相談する

かかりつけ医もいない場合や、紹介がもらえなかったときには、地域包括支援センターに相談してみましょう。他にも、地域の役場に、認知症の診断ができる医療機関を探していることを伝えると、教えてもらえることもあります。

認知症の確定診断できる医師

大きい病院では、物忘れ外来などの専門の科目が用意されていることもあります。しかし、一般的には、神経内科、精神科、脳神経外科、内科などに、確定診断できる医師が所属されています。
特に、神経内科は、脳内科の専門なので、おすすめです。

4. 認知症の診断を受けるときの心構えとは?

認知症の診断を受けに行くときには、本人が嫌がることもよくあります。そのため、本人には定期検診であることを伝えたり、信頼おける人・医師から、検査を促してもらうとよいかもしれません。

結果を聞くときには、本人1人では行かずに、家族も同席するようにしましょう。認知症は、早期発見・早期治療が大切です。

認知症の診断を受けたら、落ち込むのではなく、進行しないように予防していくことが何よりも大切と言えます。

まとめ

物忘れが気になるようになったら、専門医による認知症の診断を受けてみましょう。早めに発見することで、進行をゆっくりにすることができます。
認知症の診断は、終わりではなくこれからの付き合い方の始まりになります。ぜひ、今回の記事を参考にされて、ご家族に気になる症状があれば相談されてみてください。

認知症の進行予防に適した認知症の回想法とは?

認知症の方をもつご家族は、ご本人の過去の話を聞くことがよくあるのではないでしょうか。普段は口数が少なくても、昔の話になると、鮮明に目を輝かせながら様々なことを教えてくれます。

認知症の回想法とは、過去の出来事や体験をよく覚えている認知症の特性を生かしたリハビリになります。
興味深いことに、回想法を行うと、家族に話す内容と、友達と話す内容、スタッフと話す内容で話が異なることもあります。

今回は、体験を言葉にすることで、脳の刺激につながるといわれる認知症の回想法について詳しく解説したいと思います。

1. 認知症の回想法とは?

認知症の回想法とは、高齢者が昔を思い出しながら話をする行動をリハビリに活かしたやり方となります。
かつては、過去の話ばかりする高齢者の姿は、おかしいと考えられていました。しかし、昔の楽しかった思い出や、こころに残る思い出を思い出すことは、自然の姿だと考えられるようになりました。これが、回想法の生まれたきっかけになります。

回想法をするときに、過去の思い返しを行うことで、脳の刺激へとつながると言われています。また、基本的には、写真などの道具を使わずに話を進めることが多いため、コミュニケーションの向上・維持にもつながります。

2. 回想法の種類とは?

回想法の種類は、大きく分けて2つあります。1つは、グループで行うグループ回想法です。もう1つが、個人で行う個人回想法となります。

グループ回想法のやり方

週1回や、定期的に曜日を決めて、だいたい同じ時間に1時間程度行うのが良いと言われています。人数は6〜10人以内が理想です。
同じ体験をした人や、同じ地域に住んでいる人同士だと、話が盛り上がりやすくなります。

グループ回想法は、他の人の話を聞いたり、同調する必要もあるため、攻撃性の高い方や、コミュニケーション能力が低下している場合には、参加が難しいといえます。

個人回想法のやり方

週1回を目安に、1時間程度で行うのが良いと言われています。
個人回想法は、自宅でもできるため、訪問介護やヘルパーに協力してもらうこともできます。個人回想法の方が、本人の記憶に密着して話を進めていくことができます。一人一人の個性や経験を重んじることが、より重要といえます。

3. 回想法の効果とは?

気持ちを落ち着かせることができる

認知症の方は、過去を振り返りながら話すときには、不思議と落ち着いておられる方が多いです。しかし、残念ながら、家族に話すと、またその話?みたいになってしまい、話すのをやめてしまうこともあります。

回想法という機会を作ることで、自分の人生について、ゆっくりと振り返り、人に聞いてもらえることで、心の落ち着きにつながります。

脳の刺激につながる

回想法を行なっているときには、過去を思い出したり、それを言葉で表現するなど、多機能に脳が活躍します。
そのため、回想法を行うことで、脳の刺激につながることがわかっています。

コミュニケーションの向上・維持につながる

回想法では、1人で思い出すだけでなく、聞き手に伝えるために声に出して話をするという行為を行います。また、他の人の話を聞く場面もあるので、コミュニケーションの維持につながります。

4. 回想法の準備・行うポイントは?

回想法の準備とは?

回想法を行うには、事前に個人の背景を知っておく必要があります。ヘルパーや職員は、以下のことを確認しておきましょう。

・家族状況

・その人を取り巻く環境

・経歴や病歴、仕事歴など

・好きなことや嫌いなこと

・過去の経験など

必要に応じて、写真や資料、絵などを使うと、話が膨らみやすくなるといえます。

回想法のポイントは?

話している内容が変わっていても、その人には事実

歴史的にも話の内容が違っていたり、本人が前に話した内容や事前資料と違っていることもあります。しかし、認知症の方にとっては、今話している内容が、今思い出している事実であることを忘れてはいけません。

他の方が指摘してしまったとしても、うまく話の流れを作ってあげて衝突しないようにする配慮も必要です。

聞き手として関係性を築く

聞き手との関係性によって、回想法で話す内容や深みが変わるのが、回想法です。スタッフにするときの話の内容は、家族に話す内容とは変わることもあります。
聞き手として本人と関係性を築いていくことが大切です。

他言しない

回想法では、その方の人生経験を元にして話を進めるため、家族にとっても本人にとっても、プライバシーに配慮する必要があります。
他言はせずに、心に留めておくことが必要です。

まとめ

回想法は、認知症の特性を生かしたリハビリになります。やり方をしっかりと把握して、うまく話しやすい環境を整えてあげることで、本人もゆったりと話すことができます。
ぜひ参考にされてみてください。

認知症予防や進行を遅らせるための作業療法トレーニングとは?

認知症予防や進行を遅らせるためには、薬物治療だけでなく、作業療法レーニングも効果的と言われています。

認知症予防や進行を遅らせるための作業療法レーニングは、難しいことをするのではなく、調理や園芸などの生活に密着した作業を取り入れています。

今回は、認知症作業療法レーニングについて詳しくお伝えしていきたいと思います。

1. 日常生活は脳の刺激で溢れている

普段何気なく過ごしている掃除、洗濯、調理や人との会話は、全て認知症予防につながる要素で満たされています。日常作業を行うことで、脳へ刺激が伝わり、活発に働く脳トレーニングになっています。

認知症予防や進行を遅らせるための作業療法やトレーニングは、普段の日常生活要素を取り入れたものが中心となっています。

2. 認知症予防・進行を遅らせる作業療法のメリット

認知症予防・進行を遅らせる作業療法のメリットは、沢山あります。日常生活の作業をうまく取り入れることで、体を動かすため、筋力の維持にもつながります。また、さまざまな取り組みをすることで、心の健康にもつながります。

自信がつく

園芸などの軽作業や、調理を行うことで、自分にできることが増えて、自信につながります。
難しいことをこなすのではなく、できる範囲のことを無理なく続けることが大切です。

筋力や体力の維持につながる

体を動かすきっかけにもなるため、心身ともにトレーニングにもつながります。運動リハビリが苦手な方でも、日常生活のトレーニングを続けることで、関節の動きの維持などにもつながります。

社会とのつながりができる

園芸やみんなで調理をする、後片付けをするなどを行うことで、コミュニケーションにもつながります。自分の役割もできるので、生きがいにもつながりやすいです。

治療意識ではなく、取り入れやすい

日常生活の作業を中心にすることで、治療やリハビリへの拒否がある方でも、取り入れやすいのもメリットとなります。
例えば主婦の方であれば、掃除や洗濯など、今まで得意としていたもの・作業を取り入れることで、本人も介入しやすくなります。

3. 認知症予防・進行を遅らせる作業療法の内容

作業療法は、自宅で行う訪問介護を使ったり、デイサービス・デイケアグループホームなど施設で行われたりします。本人に合った場所を、ケアマネージャーに相談してみるのが良いでしょう。

園芸や、洗濯物のたたみ、掃除や、お茶の準備など、日常生活に寄り添った内容が多いです。他にも、グループホームでは、デザート作りなどの調理なども行います。

他にも、レクリエーションとして、カラオケやダンス、絵を描いたり、手紙を書いたりすることもあります。
今まで得意としていたこと、好きなことを中心に行うことが楽しく続けられるコツといえます。

まとめ

認知症作業療法をすることで、脳への刺激が高まるだけでなく、生活への自信や生きがいにもつながります。
難しいことではなく、普段の生活の中には、認知症向けのトレーニングがたくさん隠れています。ぜひ参考にされてみてください。

認知症の予防・進行を遅らせるための運動リハビリ療法とは?

認知症は、脳の血流を改善して、神経伝達をスムーズにしてあげることで、進行予防や発症予防につながります。家で誰とも会話せずに過ごしているよりも、適度な運動を楽しみながら行うことで、記憶力の維持につながるといわれています。

今回は、認知症の予防・進行を遅らせるための運動リハビリ療法についてご紹介したいと思います。持病がある方は、症状に合わせて無理なく楽しみながら行ってみてください。

1. 運動リハビリ療法とは?

運動によるリハビリ、運動療法とは、自分で運動をしたり、動けない人は他の人が動かしてあげることで、筋力の維持や関節が固まるのを防ぐことができます。

運動によるリハビリや運動療法によって、心身ともに健やかになり、転倒予防にもつながると言われています。

2. 認知症運動療法の種類とは?

ストレッチ

関節が固まらないように、適度に動かすことで、体の動きを滑らかにします。他にも、筋肉を意図的に伸ばして、固まりやすい筋肉を和らげます。

有酸素運動

音楽に合わせて軽い運動をしたり、水泳・ラジオ体操も効果的です。みんなで行うことで、より協調性も養えます。

複合的な運動

ステップを踏みながら、簡単な会話や計算をしたり、会話をしながら歩くなど、複数のことを同時に行うことで、脳への刺激になります。


3. 認知症運動療法のメリット

認知症運動療法を行うことで、心身ともにたくさんのメリットがあります。

生活習慣病の予防につながる

認知症の原因ともつながる生活習慣病も、運動を日々行うことで、予防もしくは改善につながります。つまり、認知症の予防にもつながるので、メリットが大きいことがわかります。

転倒・寝たきり予防につながる

筋肉や関節をほぐすことにより、転倒や寝たきり予防につながります。加齢が進むと、動作がうまくいかなくなり、転倒リスクも高まります。

寝たきりなどになってしまうと、認知症の発症リスクがあがるため、適度な運動は効果的です。

脳の血流を改善し、自身にもつながりやすい

運動をすることで、脳の血流がうながされ、記憶力の維持や向上に効果があることがわかっています。また、できなかったことができるようになったり、みんなで楽しみながら行うことで、コミュニケーションの向上や自信にもつながります。


まとめ

認知症は、薬だけでなく、運動することで脳への刺激が高まり、進行予防や発症予防にもつながります。

体調や持病に合わせて、できることを無理なく楽しく行うことが最も大切です。

認知症の放置は危険!認知症の進行を少しでも遅らせるためにできること

認知症は、認知症の種類や、薬の反応に個人差はありますが、かなりの期間(数年単位)で進行を遅らせることができる可能性があります。

認知症の進行を遅らせることで、本人の生活が穏やかになり、介護や見守る家族も安心して過ごすことができるようになります。

今回は、認知症の進行を少しでも遅らせる方法についてお伝えしていきたいと思います。

認知症の進行を遅らせるには、薬の服用を続けるための正しい知識や、非薬物療法の存在もご家族は知っておくべきだと思います。ぜひ参考にされてみてください。

1. 認知症の進行を遅らせるには?

認知症とは?

認知症は、軽度認知障害などから進行して起こることも多く、物忘れや置き忘れなどが多くなった段階で、ご家族が気付くことが多いです。

現在は、核家族化していて、高齢者が独居ですごす比率も高くなっています。社会から孤立をしたり、他の人とコミュニケーションをとる機会が減ることで、認知症が起こりやすくなる可能性もあります。

認知症の進行を遅らせるには?

認知症の進行を遅らせるためには、薬を服用することによる薬物療法と、脳トレーニングなどを行う非薬物療法があります。

薬物療法と非薬物療法を組み合わせることで、より脳への刺激が高まり、認知症の進行予防へつながると考えられます。

2. 認知症の進行を遅らせる薬物療法とは?

現在使われている薬は、認知症の中核症状を抑えていく脳に働きかける認知症治療薬と、睡眠障害や心理症状を改善する漢方薬向精神薬などが、主に使われています。

3. 認知症の進行を抑える薬物療法

認知症の中核症状をおさえるお薬で、使用することにより、認知症の症状の進行をゆるやかにすることができます。薬物療法には、大きく分けて2種類あります。

アセチルコリンエステラーゼ阻害薬

アルツハイマー認知症では、アセチルコリンと呼ばれる神経伝達物質が減ってしまうことで記憶障害などの症状が現れます。

また、神経伝達物質アセチルコリンは、アセチルコリンエステラーゼとよばれる酵素により、分解されて減ってしまいます。このアセチルコリンを分解する酵素の働きを抑えることで、働くのが、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬になります。

NMDA受容体拮抗剤

アルツハイマー認知症では、脳内のグルタミン酸が過剰に増えてしまい、神経細胞に大きな負担になってしまいます。

NMDA受容体拮抗剤では、脳内のグルタミン酸が増えすぎてしまった時にだけ、それ以上増えないように働く役割があります。

4. 認知症の周辺症状を改善させる薬物療法

認知症が進行すると、昼夜逆転してしまって夜の寝つきが悪くなったり、夜中に起きてしまったりと周辺症状が現れます。他にも、イライラして家族に当たってしまったり、不穏になってやる気が起きなくなることもあります。

漢方薬

よく使われるのは、抑肝散とよばれる漢方薬です。認知症による攻撃的な症状や、イライラを和らげる作用が期待できます。

睡眠薬

認知症になると、昼夜逆転してしまったり、夜中に起きて騒いでしまうなどの症状がでます。そのため、睡眠導入剤などで、夜間の眠りを促します。

抗精神病薬

抗精神病薬は、認知症による焦燥感や不安、興奮を抑える目的で使います。多種類使うのではなく、症状に合わせて、必要分だけ最小限に使うことが良いとされています。

5. 認知症の進行を遅らせる非薬物療法とは?

認知症の進行を遅らせるためには、個人の症状に合わせて心理的なアプローチや、リハビリを行うこともあります。代表的な方法としては、運動療法作業療法や回想法などがあります。

運動療法

認知症の進行を遅らせるための運動療法は、本人の体調に合わせて行われます。

運動療法には、自分で行ったり、他の人が身体を動かしてあげることにより行われます。具体的には、ストレッチや、音楽やリズムに合わせた体操などがあります。

運動療法を行うことにより、筋力の維持や転倒予防・動作や痛みの改善につながります。

作業療法

認知症の進行を遅らせるための作業療法は、難しいことにチャレンジするのではなく、自分の自信につながるようなプログラムを行っていきます。具体的には、手工芸や、パズル、ゲームなどを用いて、他の人とのコミュニケーションをはかったりします。

認知障害がでてくると、話が噛み合わなかったり、話したい内容があっても言葉が出てこなくて塞ぎがちになったりします。作業療法を通じて、他の人と自然なコミュニケーションをとることで、自身にもつながります。

回想法

回想法は、写真や本人の話をもとに、その人の人生を思い出したり振り返ってもらう方法です。

認知症の方は、最近の出来事は忘れてしまいますが、昔のことは良く覚えていることが多くなります。昔の話をするときは、楽しそうにしっかりと話されるので、話している内容を共感することで、穏やかな気持ちを共有することができます。

また、昔のことでも思い出すことで、脳への刺激につながります。

リアリティオリエンテーション

リアリティオリエンテーションは、受けられる施設がまだ限られていますが、現実見当識訓練とも呼ばれています。

主に、本人が今どこにいるのか、何をすべきなのか、今日は何曜日で何時なのかなどの見当識への訓練になります。具体的には、スタッフが着替えなどの日常生活の補佐をしながら、本人に今何時か、何曜日なのかなどに注意がいくように質問等を行います。

他にも、非薬物療法として、音楽療法・ペットセラピー・園芸療法などがあります。

まとめ

認知症の症状がわかったら、放置せずに病院へ行くことが大切です。認知症の種類によっては、進行を遅らせる薬を使うことで、比較的長い期間安定した生活を送ることができます。